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こしおれすずめ



今日の絵本はこちら
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       「こしおれすずめ」 
       瀬田貞二・再話/瀬川康男・画
       1977年 福音館書店



  ***** ***** *****  ***** ***** *****

         むかしむかし

  心の優しいおばあさんが 腰の折れたすずめを助けて 熱心に介抱しました。
  すずめの怪我が治ると おばあさんは すずめを自然に放しました。
  しばらくすると おばあさんの所に 助けたすずめがやって来て 
  ひょうたんの種を ひとつぶ 置いていきました。
  種をまくと芽が出て ぐんぐん大きくなり 
みごとな実が たくさんなりました。
  おばあさんは ひょうたんを村じゅうに配り よその村にも配り
  あまった実を ひさごにするために 吊るして乾かしました。
  なんかげつか過ぎて ひさごを降ろしてみると ずっしりと重いのです。
  ふしぎに思って 口を開けてみると お米がぎっしりつまっていました。
  お米はいくら食べても減らないので おばあさんの家は 富栄えました。

  さて
  この家の隣にも おばああんがいました。でも このおばあさんは 家の者から
  「同じばあさんでも こっちはダメさ」 なんて言われていました。
  おばあさんはクヤシイものですから 
  こっちも腰折れすずめを見つけてやるんだと
  あちこち探し歩きましたが 見つかりません。
  そこで自分ですずめに石をぶつけて 落ちたすずめの腰骨をキッパリと折って
  こうして三羽のすずめを飼うことに成功しました。
  すずめたちがよくなると おばあさんは すずめを外へ放り投げました。
  しばらくすると  おばあさんの所に
  すずめたちが ひょうたんの種を持って来ました。
  おばあさんは 喜んで種をまき ひょうたんは たいそう大きくなりました。
  ひょうたんの実はあまりなりませんでしたが 
  おばあさんは しぶしぶお裾分けもしました。
  でもこの実を食べた人は まずくてみんな 胸が悪くなりました。
  おばあさんは 「米にならぬうちに食べたせいだ」 と言って 
  残りを吊るしておきました。
  なんかげつか過ぎました。
  おばあさんが にかりにかり 笑いながら ひさごの口を切ると 
  はち あぶ むかで へびが ぞろぞろと飛び出し 
  おばあさんの 体じゅうを刺しました。
  おばあさんは 二度と立てないほど 重い病のとこに ついてしまいました
        
  とさ。    
      
  ***** ***** *****  ***** ***** *****


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  ちょっとだけ むかしむかし
  うららちゃんは アリさんと大の仲よしで いつもアリさんの遊び相手をしてあげました。
  土を掘って特製アリジゴクを作り アリさんをご招待してあげました。
  でもアリさんは遠慮深くて すぐに出て行ってしまいました。
  アリさんの巣の中に 棒を突っ込んで グルグル回して 地震の避難訓練のお手伝いをしました。
  それから ジョーロで水を流し入れて 洪水の避難訓練も手伝ってあげました。
  でも一番楽しかったのは アリさんと一緒に お医者さんゴッコをしたことです。 
  アリさんはいつも 患者さんをやりたいって言いました。
  でもうらら先生が アリさんを葉っぱのベッドに寝かせても 
  落ち着きのないアリさんは すぐに動き出してしまいます。
  だから先生は アリさんを手か足で ちょっとだけ ベシっと叩いて
  「ピーポーピーポー」と言って 葉っぱの担架に乗せ 病院に担ぎ込み 
  それから 松葉の注射を ブチュっと 刺してあげました。
  たいていのアリさんは しばらくベッドで休むと だいぶ具合がよくなって
  「先生ありがとうございました」と言って ヨタヨタしながら帰って行きました。
  でも中には病が重くて うらら先生でも 救えないアリさんもいました。でも大丈夫。
  そんな時は お医者さんからお坊さんへ早変わりして ナムナムと お経を唱えてあげました。


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  アリさんアリさん
  あれからいったい 幾年が過ぎたのでしょう。
  そろそろ種 もらってもいいのにな。
  呑んでも呑んでも減らない酒の出る 実がなる種でいいよ。
by haruno-urarano | 2009-09-30 18:59 | 日本の絵本