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はじめてであう すうがくの絵本1

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                  「はじめてであう すうがくの絵本1」  安野光雅
                           1982年 福音館書店




気づいた時にはもう、数学も算数も計算も電卓を打つのも大きらいだったけど、
安野さんが私の先生だったら、
きっと私も数学が好きになったに違いない。
だってね。数学者の藤原正彦さんは、安野さんの教え子なんだよ。
ただし教わったのは、小学校の図画工作だったのだけどね。


小学校といえば、学校に入学する前に、テストみたいな面接をしたのを覚えている。
一人で教室に入ると、大人の人が三人くらいいて、
机の上に冊子が広げてあって、ここに描いてあるのと同じ絵を見つけろとか、
さっきの絵とこっちの絵の違いを言えとか、
この図の形は丸か三角か四角かとか、
あとは色盲の検査みたいな絵を見て何の絵が描いてあるとか言わされたように思う。


この絵本を初めて見たとき、ははあ、これはあの時のテストに似ているな、
するとあれは「すうがく」のテストだったのか、
しかしこれが「すうがく」であるならば、私は絶対に「すうがく」が得意なはずなのに、
いつから「すうがく」は「数学」になってしまったのか、
さては「甲乙二人の旅人あり、甲は一時間一里を歩み乙は一里半を歩む・・・
・・・乙の旅人は何時間で甲の旅人に追いつくか」
などと愚にもつかぬことを寄り道好きな幼き者に問いただすあたりから、
楽しい「すうがく」はニックキ「数学」へと成り下がってしまうのに違いない。



でも考えてみれば、寺田寅彦さんだって、小学時代に一番きらいな学科は算術で、
先の「甲乙二人の旅人あり・・・」の問題がどうしてもわからなかったと言うのだから、
東大を出て物理学者になるようなすごい人でさえ子どもの時分にできない問題を、
ただのいたいけな大人になっただけの私の子どもの時分にできるはずがあるわけない。

そう。それでいい。
神さまは安野さんに、何でもお与えになったんだから。
だから私には、何もなくていい。
ただ安野さんの作品を、いつまでも楽しめればそれでいい。
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by haruno-urarano | 2010-03-03 08:53 | 日本の絵本