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ぞくぞく ぞぞぞ

こう暑い日が続くと、ビールと冷房ばかりじゃ、身体も財布ももちゃしない。
へえ。長谷川休伯なんて人、いたんだ。知らなかった。


今日の絵本はこちら

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                    「きゅーはくの絵本⑤化物絵巻 ぞくぞく ぞぞぞ」
                    企画・原案 九州国立博物館/推薦 水木しげる
                           2007年 フレーベル館



江戸時代初期の「化物絵巻」が絵本になった。絵巻の作者は狩野宗信。
なーんだ「きゅうはく」って、九州国立博物館だ。
九博って、ユニークな収蔵品があるんだよね。見に行きたいけど、遠い。


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小さい頃って、おばけや暗がりやボロ屋が怖かった。

小学校のどっぽんトイレの奥から何番目かの便器から手が伸びてくるって噂の個室には、
絶対に入らなかった。

冬の夕方に街灯のない暗い道で、後ろからコツコツと足音が聞こえると、ゾッとした。

もっと怖かったのは暗い路を歩いていたとき、目の前の宙に突然ボワっと火の玉が浮いたこと。
見知らぬ大人が、タバコに火をつけたんだ。

すごく恐ろしかったけど、誰にも言えなかったことがある。
近所に目玉と口の大きな女の子がいた。転校生だった。
暗くなってから何度もその子と一緒に下校したことがあった。
その大きな目玉が暗がりでギョロギョロと動き、耳まで裂けんばかりの口がパクパクと開くさまは、
まるでヤマンバのようだった。
この子は本当はおばけなんじゃないかと思った。
暗い道を一人で帰るのは怖いけど、その子と一緒に帰るのも耐えがたく怖かった。


でも人間って、化物を恐れるくせに、
なんでそんなに化物ばっかり作り出したんだろう。
本当は化物のこと、好きなんじゃないかな。
だってこの絵本(絵巻)の化物も、どこか憎めない、愛嬌のある化物ばかり。


ほら狐が頭に葉っぱを乗せて、化けてる化けてる。
でも見てごらんよ、あれあれ、シッポが出てるじゃないか。
おやおや、山伏に化けたのは誰だい。灯明の油なんてなめちゃって。
おやまあこのお婆さん、化け猫を見て笑っているよ。


絵本の題には「ぞくぞく ぞぞぞ」とあるけれど、
読んだ後は「ほんわか むふふ」の方がぴったりかな。
「ぞぞぞ」にしても「むふふ」にしても、
じっとりと不快な真夏の暑さをしばし和らげてくれるなら、
化物には滅ぶことなく跳梁跋扈しつづけてくれることを願ってやまない。
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by haruno-urarano | 2010-08-01 15:36 | 日本の絵本