新年やさかい いかにもおめでたそ~うな
こんな絵本から はじめてみたい 思いますねん。
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「あたごの浦 讃岐のおはなし」
脇 和子・脇 明子 再話/大道あや・画
1993年 福音館書店
前はとんとんあったんやと。
ある、お月さんのきれいな晩のことや。
あたごの浦に、波がざざーっと、
よせてはかえし、よせてはかえし、
砂浜は、明るいお月さんに照らされて、キラキラ、キラキラと、
光っりょったんやと。・・・と、こないな語り口ではじまりますねん。
讃岐の言葉は、わてようわかりまへんけんど、
適当に声に出して読んでるだけでも、
とーってもええ気持ちになりますねん。
自分で読んでも、こないにええ気持ちなんやから、
人に読んでもらえたら、そらーきっと、ごっつええ気持ちやろうなあ。
そしたらそこへ、おーけなおたこが、お月さんの光にうかれて、
ゆらーり、ゆらーりと浮いてきて、砂浜へあがったんやと。ただのたことは違いますねん。おーけな、おたこですねん。
そのおたこがな、なんと畑のおなすびをな、ムシャムシャと食べたしたんやと。
するとそこへな、鯛まで浜へあがってきますねん。
「こらこら、おたこ、おまえはそこで、なにをしよんや」「へえ、おなすびをちぎって、食べよります」「そうか。それもええけど、今晩は、お月さんがきれいなけん、
ひとつ、魚どもを集めて、演芸会でもせんか」ほんでな、あっちからもこっちからも、魚がぎょうさん集まってきてな、
そりゃもう、にぎやかな演芸会がはじまったんやと。
しばらく歌うたり、踊ったりした後にな、また鯛さんが言うたんやと。
「なあ、みんな。ここいらで、ひとつ、とっときのかくし芸を、見せることにせんか」かくし芸とはまあ、そりゃお正月らしくてええですねん。
魚たちも大喜びでな、、「まず、鯛さんから」って言うたんやと。
そこで鯛は、とっときの芸を見せたんやけどな、
これがまあ、おめでたいのなんのって、さすがは鯛だけのことはありますねん。
「これどうじゃ」
みんな感心してな、
「妙々々々々々」と、はやしたてたんやと。ほな、みなさんもご一緒に。
「みょう みょう みょう みょう みょう みょう」
鯛の次は、ふぐや。
「これどうじゃ」
「みょう みょう みょう みょう みょう みょう」
お次はおたこ。
「これどうじゃ」
「みょう みょう みょう みょう みょう みょう」
いやいや、魚たちの芸達者なこと、おどろきますねん。
まったり、めでたい、あたごの浦の演芸会。
今年も、このおはなしのように、
のんびり、ぼちぼち、まいりまひょ。