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たべるトンちゃん

今日のお話はこちら

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                   「たべるトンちゃん」 初山滋
           原本:昭和12年 金蘭社/複刻:1993年 ほるぷ出版


日本の児童文学史を語るのに
欠かすことのできない童画家の一人、初山滋(明治30年ー昭和48年)。

奔放で反骨な精神を貫いた 江戸っ子の画家は
一方で 大変な食いしん坊でも あったそうだ。

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してみると 食いしん坊のブタの トンちゃんは
初山滋 その人だろうか・・・

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あけて みよう

古今東西、ブタというのは食いしん坊と決まっている。
それにしても トンちゃんの食欲は 異常すぎやしないか?

食べられるものなら なんでも食べたい
その気持ちは わからないでもないが。

ストーブの奴が 「この石炭は なかなか うまい」と つぶやけば

トンちゃんは 次の瞬間には もう
ストーブに化けて 石炭を食っているではないか。

シャボン玉だって 車に入れるガソリンだって
実にうまそうに 食う。

小鳥が鳴けば それは こんな歌に聞こえる。
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みんなが 自分に餌を与えるようにと
なんだかわからぬ 動物にも化けてみた。
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実は 努力するブタ、トンちゃんなのである。

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トンちゃんは 夢だって たくさん 見る。

お魚の親子が 相談している。
 「日曜日だから だれかの お腹の中へ ハイキングとしよう」
 「トンちゃんの お腹へ行こう」
それを聞きつけたウナギも
 「拙者もお伴したい」

すてきな 夢だね。

でもトンちゃん。
あんまり食べすぎるとね・・・
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ふとるんだよ。。。。。

よく太った ゾウカツより トンカツ うまそうだ
うりますよ ねだん よく

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 ***** ***** *****

昭和の12年。、7月に日中戦争が勃発しました。
その年の12月には、まだこんなナンセンスな児童書が出せたのです。

軍部が戦争を正当化するための宣伝や言論統制を行い、
田川水泡の「のらくろ」がベストセラーとなりました。

翌年から言論への圧力が厳しさを増す前の、
ぎりぎりの出版だったと言えるでしょう。

初山滋は戦時中、戦争を推進する国策には全く協力をせず、
仕事をほとんどしませんでした。

この、滑稽で無意味で大らかな児童書は、
食べることを愛した初山の、皮肉と反骨の精神から
生まれたのかもしれません。

何十年という時が流れ、
私たちはこの本を
ただ読んで、ただ笑うことができるのです。

 ***** ***** *****

私の持つこの本は、
ほるぷ出版による「名著複刻シリーズ」の中の一冊ですが、

2005年には「 よるひるプロ」という所から、復刻書が出版されました。
一冊2,415 円というお手頃価格です・・・
私はセットで十数万円モシタンダゾ~~(T0T)
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by haruno-urarano | 2008-07-06 18:47 |