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かげぼうし

今日の絵本はこちら。

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                「かげぼうし」  安野光雅  1976年  冨山房



子供のころ、影がとても好きでした。

いえ、影は今でも大好きですが、
子供のころは、影を自分の一部と感じていました。たぶん。


学校帰りに道を歩いていて、うしろから車が近づく音が聞こえると、
影がひかれぬようにと、
慌てて建物の影の陰に入って、影を守りました。


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そして影のことを車から守った自分を、
正義の味方のように思いました。たぶん。



影を見つけに、出かけてみました。


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形あるものには、何でも影がありました。


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木の枝の一本一本に、落ち葉の一枚一枚に、めしべの一つ一つに、
みんな影がありました。


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看板にも、自転車にも、影がありました。


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白鳥にも、おじさんにも、影がありました。


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車にも、家にも、影がありました。


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今は、もう・・・・・ 


風が冷たくなって
木の葉はみんな散って
空はどんより曇って・・・

 

この町にも、また、冬がやってきたのです。




冬になると、出番の少なくなった影たちは、
秘密の国に集まります。




そこは「かげぼうしの国」で、影のほかには
人間は入れません、
たったひとり、見張り番を除いては。



何にでも影があるのですから、
「かげぼうしの国」の冬は、それはそれは大にぎわいで、
毎日毎日、おまつりさわぎです。



見張り番の役目は、遠めがねで遠くを見張ることです。

ちょっとでも太陽が出そうになったら、
すぐに合図の鐘を鳴らさなくてはなりません。

でないと「かげぼうし」たちが、自分の持ち場につけませんから。


ところがある日、


その大切な見張り番が、「かげぼうしの国」からいなくなってしまったのです。



それはちょうど、

アンデルセンのマッチ売りの女の子が、
マッチを売りに町に来たのと、同じ日のことでした。


女の子は馬車にはねられたうえに、
靴を盗まれてしまいました。

誰もマッチを買ってはくれません。

あまり寒いので、マッチを一本すってみました。



すると・・・・


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この絵本は、

左ページには彩色画で「マッチ売りの女の子」のおはなしが、
右ページには切り絵で「かげぼうしの国」のおはなしが繰り広げられ、


最後に一つのおはなしにまとまります。


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どんなふうに一つになるか。
それは読んでのお楽しみ。



もし、「影の国」というものがあったら、
どんなことに都合がよくて、どんなことに困るか。
いろいろ想像を広げながら、
こんな国があったら、一度行ってみたいものだ・・・


と・・・、安野さんはそんなふうに思いながら、
この絵本を作ったそうです。


安野さん、安野さん・・・

ありがとう・・・・
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by haruno-urarano | 2008-12-18 19:08 | 日本の絵本