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カテゴリ:日本の絵本( 69 )

やまのかいしゃ

2011年度の新入社員が選ぶ理想の上司は、
男性は池上彰さん 女性は天海祐希さんがトップだったそうな。


ふむふむ、なるほど・・・。


ではこっそり聞きたい。あなたの理想とする会社って、どんな会社ですか?


世界的に有名な会社とか?
自分の能力を発揮できる会社とか?
給料のよい会社とか?
休みの多い会社とか?
仕事が楽チンな会社とか?
福利厚生の厚い会社とか?
自由な気風の会社とか?
潰れる心配のない会社とか?


それからええーっと・・・
ま、いろいろあると思うけど、


私の理想の会社はね・・・


ふふふ。


それはもちろん、こんな会社だよ♪


今日の絵本はこちら


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                  「やまのかいしゃ」 作/スズキコージ 絵/片山健
                             1991年 架空社



スズキコージ、架空社、片山健という組み合わせだけみても、
これがフツーの会社じゃないのが、すぐにわかっちゃうよね。
だいたい、ズキンが絵を描いていないズキンの絵本なんて、私はこれしか知らない。



「ほげたさん」は今日も今日とて寝坊をして、昼過ぎに会社へ向かって家を出ました。
駅までペタペタ歩きながら歯をみがき、洋服の袖で顔をふき、
駅のプラットホームへ入るとすぐ、やってきた電車にとび乗りました。


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電車の中で朝ごはんのおむすびを食べようとしたら、
あららトイレのスリッパを履いてきてしまったことに気づいてあきれてしまい、
それでもおむすびを食べたらなんとおむすびの中に腕時計が入っていて、
おもちゃを持ってくればよかったなあと窓の外を見ると鮮やかな緑の森が見えたりして、

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ほげたさんの会社はビルがぎっしりつまった町の中にあるのに、
電車はどんどん山の中へ入って行くのでおかしいなあと思いながら考えていると、
そうだメガネもカバンも忘れてきたことに気づき、
外のすばらしい山の景色をぼんやり見ていると、
電車はやがて終点の山の奥の駅に着いたのでした。


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こうなったら今日は山の会社へ行くことにしようと決めたほげたさん、
山をどんどん登っていくと、
向こうから会社に行くかっこうの人が下りてきて、
よく見ると同じ会社の同僚の「ほいさくん」で、
ほげたさんはあきれて「今ごろ会社に行くなんて大丈夫かい?」なんて言ったりして、
それで二人は一緒に山の会社に行くことにして、
山の頂上に着いた二人はそこをすっかり会社と思い込んで仕事を始めるうち、
あんまり空気がおいしいのでいいことを思いつき、
町の会社のみんなを呼んでここで仕事をしようじゃないかと無線電話をかけると、
町の会社の社長はさっそくみんなを引き連れて山の会社にやってきました。


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社長さんは山の会社がたいそう気に入り、
翌日からは山のてっぺんで新鮮な空気を吸い込んで体操をしたり仕事をしたりしていたけれど、
やがて山の会社が全然儲からないことがわかったので、
社長さんはナイスな決定を下しました。


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どんな決定か、それは読んでのお楽しみ。

理想的な会社は理想的な社長によって作られるんだね~。
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by haruno-urarano | 2011-04-23 18:54 | 日本の絵本

パンツのはきかた

こんなうた、歌ったことがありますか?



         ♪ パーンツはね  (チャーンチャチャチャチャッ)
  

              はじめに かたあし 入れるでしょッ
 
               
              それから も~かたっぽ 入れるでしょッ


              それから キューっと ひっぱって  


              そこまでできたら たちましょう~ ♪





今日の絵本はこちら



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                          「パンツのはきかた」
                       岸田今日子・作 /佐野洋子・絵
                         2011年1月 福音館書店




数日前、本屋の絵本コーナーをウロウロしていたら、この題名が目に飛び込んできました。

「パンツのはきかた・・・って。なに?あの歌のこと?」 
「え~?佐野洋子さん!?は~?岸田今日子さん!!??」
「なになに?あの歌のことじゃないの~?」


と、手にとってみると・・・

「やっぱあの歌だぁ~!!へぇ~~~、あの歌って、岸田今日子さんが作詞したんだ~!!??}


と、学校で一時期、大流行したこの強烈な音楽の歌に、およそ35年ぶりに再会しました。
「くろねこのタンゴ」や「およげたいやきくん」が世代を越えて支持されたのとはちがって、
ほんの一瞬の時期、子どもの間ではやっただけの歌だと思っていたけれど、
30年以上の月日が流れて、ハードカバーの絵本になるとは、
ひそかにずっと、ヒットを続けていたのでしょうか。

それにしても岸田今日子さんが作詞したとはビックリ仰天。
佐野洋子さんの描くブタちゃん。。。なんかどこかでよく見る、太ったおばさんそっくりだ。
そうよね、あんまり太りすぎてるとね、パンツをはくのもおおごとだから、
うたでも歌って、元気よくはかないとね。
それにしても、ブタちゃん太りすぎじゃないかな。
せっかくはいたのにね、どうするの?また脱いではきなおすのは大変だよ。
やっぱちょっと、痩せたほうがいいかもね。



              ♪そうしてうえまでひきあげて


                つっかえたらばできあがり


                     あーあ 


                  せっかくはいたのに


                  うらがえし(チャンチャン)♪





35年。
長いような、長いような、やっぱり長いような、
でも短いのかな。人の一生は。

岸田今日子さんも、もういない。
佐野洋子さんも、もういない。

去年の私の誕生日に、佐野洋子さんが、いなくなった。
今年から私の誕生日は、佐野洋子さんの命日だ。
亡くなってからも、こんなにビックリさせられちゃったな。




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by haruno-urarano | 2011-01-25 11:22 | 日本の絵本

あたごの浦

新年やさかい いかにもおめでたそ~うな 

こんな絵本から はじめてみたい 思いますねん。

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今日の絵本はこちら

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                        「あたごの浦 讃岐のおはなし」
                     脇 和子・脇 明子 再話/大道あや・画
                           1993年 福音館書店




前はとんとんあったんやと。
ある、お月さんのきれいな晩のことや。
あたごの浦に、波がざざーっと、
よせてはかえし、よせてはかえし、
砂浜は、明るいお月さんに照らされて、キラキラ、キラキラと、
光っりょったんやと。



・・・と、こないな語り口ではじまりますねん。
讃岐の言葉は、わてようわかりまへんけんど、
適当に声に出して読んでるだけでも、
とーってもええ気持ちになりますねん。
自分で読んでも、こないにええ気持ちなんやから、
人に読んでもらえたら、そらーきっと、ごっつええ気持ちやろうなあ。



そしたらそこへ、おーけなおたこが、お月さんの光にうかれて、
ゆらーり、ゆらーりと浮いてきて、砂浜へあがったんやと。




ただのたことは違いますねん。おーけな、おたこですねん。
そのおたこがな、なんと畑のおなすびをな、ムシャムシャと食べたしたんやと。
するとそこへな、鯛まで浜へあがってきますねん。



「こらこら、おたこ、おまえはそこで、なにをしよんや」

「へえ、おなすびをちぎって、食べよります」

「そうか。それもええけど、今晩は、お月さんがきれいなけん、
ひとつ、魚どもを集めて、演芸会でもせんか」




ほんでな、あっちからもこっちからも、魚がぎょうさん集まってきてな、
そりゃもう、にぎやかな演芸会がはじまったんやと。

しばらく歌うたり、踊ったりした後にな、また鯛さんが言うたんやと。



「なあ、みんな。ここいらで、ひとつ、とっときのかくし芸を、見せることにせんか」



かくし芸とはまあ、そりゃお正月らしくてええですねん。
魚たちも大喜びでな、、「まず、鯛さんから」って言うたんやと。
そこで鯛は、とっときの芸を見せたんやけどな、
これがまあ、おめでたいのなんのって、さすがは鯛だけのことはありますねん。
「これどうじゃ」
みんな感心してな、



「妙々々々々々」と、はやしたてたんやと。


ほな、みなさんもご一緒に。
「みょう みょう みょう みょう みょう みょう」



鯛の次は、ふぐや。
「これどうじゃ」
「みょう みょう みょう みょう みょう みょう」


お次はおたこ。
「これどうじゃ」
「みょう みょう みょう みょう みょう みょう」



いやいや、魚たちの芸達者なこと、おどろきますねん。
まったり、めでたい、あたごの浦の演芸会。


今年も、このおはなしのように、
のんびり、ぼちぼち、まいりまひょ。
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by haruno-urarano | 2011-01-07 14:20 | 日本の絵本

きつねのざんげ

今日の絵本はこちら

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                        「きつねのざんげ」 安野光雅
                           1979年 岩崎書店




今年もまもなく、暮れてゆく。
今年もどれだけ、嘘をついたか。


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狐は偽善者になりたかった。類い稀な、偽善者に。
だから狐は嘘をつき、人を騙し、
できるだけ狡猾に、
できるだけ卑怯に、
生きてきた。


嘘ばかりつく政治家にあこがれて、
嘘の多い書物を見ては、
偽善というものの素晴らしさに胸を打たれた。


いつの日か「偉大な偽善者」になることを夢見ながら、
狐の子どもは強くなる。
森の獅子王を騙し、
首ながの鶴をからかい、
恐ろしい狩人もまき、
仇の犬は抹殺する。


でも、


                           お月さま
                           お月さま
                        今夜のあなたは
                いつものお月さまとは ちがうように 思えます


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偽善者になるために、狐は最高の嘘をつき、そして失敗をした。
狐は狐をやめて、人間になってしまったのだ。



安野さんの「あとがき」の、大好きな部分。

    
                   私は子どもの頃、治ちゃんという子と一しょに清という
                   友達の家へ遊びにいくとき、城山の下の道で、
                   「僕はな、狐が化けとるんだぞ」
                   と突然いってみた。治ちゃんはひどく驚いた。私まで
                   恐くなって、「うそだ、うそだ」とすぐに打ち消したが、
                   この時のぞき見たフィクションの世界はいまでも忘れ
                   られずにいる。


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来年もきっと、人間はたくさんの嘘をつく。
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by haruno-urarano | 2010-12-29 16:15 | 日本の絵本

かさぶたって どんなぶた

これはブタ。 どんなブタ? 


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えーと、バンザイしてるブタ。


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じゃあここで問題です。





かさぶたって、どんなぶた?





・・・・・考えたこと、なかったなぁ~~~ (´ー`)







今日の絵本はこちら




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          絵本 かがやけ・詩 あそぶ ことば 「かさぶたって どんなぶた」
                       小池昌代・編 / スズキコージ・絵
                           2007年 あかね書房  





もうこの絵本のタイトルを見た瞬間から ワクワク、ウキウキしちゃって、
早く読みたくて読みたくて ウズウズ、ソワソワしちゃって、
私としたことが、コージズキンの絵とも気づかずに、ただタイトルだけ見て買っちゃったのよ!


絵本だって?
いや、詩集だよ!
え、詩集だって?
いや、ことばあそびだよ!
ことばあそびの本なの?
いや、やっぱり絵本だよ!
いやいやもうとにかくとにかく、楽しいんだから、何だっていいっさ~!



ねえねえ、かさぶたってどんなぶたか、今まで考えてみたことがあった~?



すっごいなーーー。私しゃ感動したよ!
詩人ってさ、天才だね!
そりゃそっさ、だから詩人ってんだ~!




ワクワクワクワク、ワクワクワクワク、ワクワクワクワクしながら開いたよ。
かさぶたって、かさぶたって、一体どんなぶたなのさ~~?




お!なんと!!!これはアンソロジーじゃない!!!!



うわーーー。。。。参った参った!特選詩集のトップを飾るのは、
ねじめ正一の「あいうえおにぎり」じゃないか~~~~~っ!!!!!!!

わっはっはっはっ!
もう「かさぶた」のことも忘れてねじめワールドに酔いしれちゃうよ!
ばっちし、暗誦できちゃうもんねっ!ほいっ!


   あいうえおにぎり ぺろっとたべて
   かきくけころっけ あつあつたべて
   さしすせ・・・・

  
ひひっ、もったいないからもう教えない~!
でもねっ!この詩のいっちばん好きなとこは、最後の行!

   わいうえおもちも・・・・・ オシエナイ~~~~~~♪

もう感動しちゃって私しゃうれし涙がいーーっぱいだよ!




えーっと、ほかに好きな詩はって言うとー・・・


谷川俊太郎の「おならうた」でしょー、
有馬敲の「せみ」でしょー、
藤富保男の「はやく」でしょー、
まど・みちおの「がいらいごじてん」でしょー、
阪田寛夫の「お経」と「わかれのことば」でしょー、
松岡享子の「きのうのきんようび」でしょー、
・・・って、ほとんど挙げてるな~。

だってさすがに特選詩集、
この詩もあの詩もぜーーーんぶ愉快なんだもん!
正直に言って、今までの詩の概念を超越する作品だらけだよ!
そうか!これが詩なんだ、これが詩でいいんだ!
ならば私にも作れるかも・・・・ってことは絶対ない。
やっぱり詩人は天才だ!





さてここで、もう一度問題です。







かさぶたって、どんなぶた?











答え合わせは絵本でどーぞ♪


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by haruno-urarano | 2010-10-22 23:23 | 日本の絵本

画集 赤羽末吉の絵本

今日の画集はこちら


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                   「画集 赤羽末吉の絵本」 2010年 講談社




2010年5月から9月まで、東京と安曇野のちひろ美術館で、赤羽末吉の生誕100年展が開催されました。


昨年から赤羽末吉の生誕100年に関するイベントが開かれるのを楽しみにしていましたが、9月末の展覧会終了間際になって、ようやく安曇野まで出かけることができました。


東京の展覧会では、私の大好きな「おへそがえる・ごん(ごんちゃんの紹介は→こちら)」 の制作過程のダミーが展示されていたそうです。東京展と安曇野展では展示内容を変えるとの情報を見たので、「ごん」のダミーはあるかなぁ、あればいいなぁ・・・と思っていたのですが、残念無念、ダミーはなくて、原画が2枚展示されているだけでした(安曇野展でのダミー展示は確か「ほしになったりゅうのきば」・・・だった、と思う。もう忘れちゃった!)。


それでも、いくつの色も使っていない作品の「ごん」ですら、絵本と原画ではこんなにも色合いが違ってしまうとは。和紙に日本画の絵具を使って描かれた作品は、どう頑張ってみても、印刷でその美しさや柔らかさが再現されることはないのでしょう。赤羽末吉さんだって原画と絵本の出来の違いは当然わかっているだろうに、それなのに、ここまで・・・。実際に出版されている絵本を見ても特に欲しいとまでは思わなかった作品が、原画を見たら全てが欲しくなってしまった。それは原画の美しさに魅せられたためだけではなく、作者の魂を感じてしまったためかも知れない。


50歳で最初の絵本を出してから80歳までの30年間で90冊。この数字はすごいものだと思います。1つ1つの作品にスケッチ、設計図、ダミーは3段階にも4段階にも分けて作り、それからやっと本描きをする。数年かかりで作った作品もある。代表作の「スーホーの白い馬」は、1961年に「こどものとも67号」として出されたものを再度描き直したものでした。今回初めて「こどものとも」版の作品を見たけれど・・・赤羽さんごめんなさい、私はこっちの方が好きです。でも2年という歳月をかけて作り直した情熱に、それほどまでの大陸への思いに、ただただ敬服するしかありません。


何を基準に絶版にするのか知らないけれど、今はもう出版されていない作品もずいぶんあります。赤羽絵本90冊全てを手に入れるのは無理だろうけれど、コツコツと収集していこうと決めました。あ、いや、コツコツしていたらそのうちまた絶版になってしまうかもしれないから、急がないとダメなのかもね。こりゃ大変だ。


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by haruno-urarano | 2010-10-02 11:06 | 日本の絵本

そうべえごくらくへゆく

今日の絵本はこちら

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                  「そうべえごくらくへゆく」  作・たじまゆきひこ
                           1989年 童心社
 
 

毎度お待たせ。「あの世三部作」、最終回の第三部は、敗者復活戦だよ!



死んだら目出度く極楽へ行くか、それともおっかねえ地獄へ落ちるかって?


んなこた死ななきゃわかんなねぇな。
生きてるうちからんなこたグダグダ心配してたら、人間なんざやってらんねぇや。
地獄だろうがなんだろうが、どこだって行ってやるさ!



・・・とかなんとか言ってさ、ホントは極楽に行く自信がないだけさ。



でもね。地獄に落ちても、それで諦めちゃ~いけないよ!
地獄と極楽って、実は隣り合わせになってるんだ。
ちょっと工夫をすれば、極楽への扉が開きそうだよ!



例えば。軽業師のそうべえさん。
それと山伏のふっかいさん、それに医者のちくあん先生。
お3人、あるとき一緒に死にまして、そろいもそろって地獄へいったとさ。



生きてるときに、どんな悪さをしたのかね?
閻魔さんの審判で、「ふんにょう地獄」行きが決まってしもた!
それもちょうど、集団食中毒でお腹を壊して死んできた者たちが、
ぴちぴち、ぴちぴち・・・・・と。うわあ・・・これはたまりませんわ。



芸は身を助く、なんて、娑婆にはそんな言葉があるけれど、
どうやらこれは、あの世にも通用するらしいよ。
まずは山伏のふっかいさんが出てきたよ。
生きてるときは、いんちきなまじないをして、悪いこともしたらしいが、
ちゃんとお山へ籠もって、修行もしたんだね。
ほら、なむ・・・・なむ・・・・と唱えたら・・・



おっとここで、閻魔さん。この人、せっかちでねぇ、
「なにをごじゃごじゃ言うとるか。はよう入れぇ!」
と、3人を小突いたら、
あらまあ、どっぽん、ちゃっぷーーん。
閻魔さんも一緒にはまってしもた、ふんにょう地獄。
でもここで、ふっかいさんのまじないが効いてしまったから大変だわい。
うんこ、がちがちに固まってしもた。板みたいになったぜよ。
あああ。閻魔さんまで、うんこの板に挟まって抜けられない。
せっかちはいかんね、閻魔さん。よく勉強し。



閻魔大王さまがふんにょうにはまってたら、仕事んなんないわ。
まじないを解いてもらわんとな。
でもタダで解くわけにゃいかんよな。
地獄の沙汰も金次第、って、娑婆だって言うもんね。
お3人、金はいらんが、極楽に連れてってもらったよ!


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おお!みごと極楽へ行って、これでめでたしめでたし!
・・・いやいや、話はまだまだ続くよ。
だってまだ、山伏のふっかいさんの芸しか出てないでしょ?
これから3人、大騒ぎして極楽の掟を破り、
阿弥陀さんに牢屋に入れられてしまうのさ。
「あしたには地獄送りじゃ」だってさ!
仏の顔も三度までって、極楽じゃ通用しなそうだね。



さあさあさあ・・・お3人さん、どうするどうする?
まさかおとなしく、地獄へ戻るなんて・・・んなこたないねぇ。
そうそうもう一人。牢屋の中でお仲間が増えて、お4人さんになりやした。
さてさてどんな技が飛び出すか。
そして最後は・・・あれー?ここは極楽?それとも・・・?


地獄を恐れる暇があったら、芸を磨こう!修行じゃ修行!
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by haruno-urarano | 2010-09-23 22:48 | 日本の絵本

地獄 

今日の絵本はこちら

あの世三部作・第二部

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                          「絵本 地獄 じごく」
                   監修・宮次男/構成・白仁成昭、中村真男 
                          1980年 風濤社
               (千葉県安房郡三芳村・延命寺所蔵「地獄極楽絵図」を編集)




死後にあの世があるのなら、
あの世に地獄と極楽があるのなら、
そしてどちらかひとつに行くことになるのなら、
やはり美しく安楽だという極楽の方へ行きたいと思う。


けれど、
極楽は西の彼方の十万億土のところにあるそうだ。
念仏行者は死後ここに生まれるそうだ。
行いを正しくしていると行けるそうだ。
私には、
極楽への道は果てしなく遠い気がする。


ならば、
もうひとつのあの世の方ならどうかと言うと、
労せず今すぐにでも行けそうな気がする。


では、
地獄ってどんなところだろうかと、
ちょっと下調べをしてみた。


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なんだか猟奇事件の現場を見ているようで、おぞましい。
・・・現実の世界で地獄と同じようなことが発生しているのは、もっとおぞましい。


この絵本を見た小学2年生たちは、異口同音に
「死ぬのはいやだ。こんなとことへ行きたくない」と言ったそうだ。


私は小学2年生ではないが、感想は小学2年生と全く同じだ。
いやだ。地獄になんか、行きたくない。


では、
どんなことをすると、どんな地獄へ落ちるのだろう。


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かまゆで地獄・・・嘘をついたり、約束を破った者は、
かまゆで地獄で、くりかえしくりかえし、煮られるそうだ。


火あぶり地獄・・・盗みをした者が落とされるそうだ。


針地獄・・・いい子ぶって告げ口したり、他の人を馬鹿にして
悪口を言ったりした者は、ここに落とされるそうだ。


火の車地獄・・・他の人の話を最後まできちんと聞かずに、
自分勝手なふるまいをする者は、火の車で地獄中を引き回されるそうだ。



まだまだ、あるぞ・・・・


いや、もう結構・・・・


ぎくり。びくり。これはまずい・・・・やはり死んだら・・・・



しかし私は、
常々蜘蛛は殺生しないようにと、心がけているぞ・・・。
芥川龍之介の影響だけじゃない。
「朝蜘蛛は縁起が良いから殺すな」と、
子どもの頃に聞いた言葉をしっかり守っているんだ。
でも白状すると、
「夜蜘蛛は縁起が悪いから・・・」
の言葉も、時々守ることがある。
蜘蛛の糸は、期待できないか・・・。



どうしよう、どうしよう・・・・。
このまま地獄へ真っ逆さま?



そうだ!あの手がある!
次回、第三部は「敗者復活戦」!









・・・それよりも悔い改めて、行いを正しくすればよいのじゃないかって・・・?




へへへ。







※風濤社より、この絵本の刊行意図を伝える言葉(部分抜粋):


私たちは、これを見る子供らが、「死ぬのはこわいことだ」ということを強く心に刻むであろうと、それを主題に絵本づくりを思いたちました。

ひとの死に対する恐れは本能といわれるものでしょうが、それはまた、学習によって強められることを、日常の経験を通して私たちは知っています。

文明は危険な環境を日々ふくらませています。それにひきかえ「死のこわさ」を学習するチャンスは、ますます遠のくばかりです。

いま、私たちが子どもらにしてやらねばならぬこと、それは、生きることのよろこびたのしさを存分に教え、と同時に自らの生命を尊び、自らそれを強く守るという心を培ってやることでしょう。それはまた、他者への思いやりや生命を尊ぶ心につながっていきます。

死を恐れることのない子どもらが育っていくとしたら、こんなにこわいことはありません。

                                      1980年8月16日 風濤社
               



※千葉県安房郡三芳村・延命寺所蔵「地獄極楽絵図」は、毎年一度、8月16日(「地獄の釜の蓋もあく」日) に一般公開されます。
もちろんまだ見たことはありませんが、「死ぬまで」に是非とも見てみたいものです。

→ 延命寺 地獄極楽絵図
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by haruno-urarano | 2010-09-17 15:21 | 日本の絵本

極楽

もうすぐ秋のお彼岸ですので、
ちょっと死後の世界でも覗いてみませんか~?

「あの世 三部作」 はじまりはじまり~♪ 


第一部 

今日の絵本はこちら


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                「絵本 極楽 ごくらく」 西川隆範・文/舛田英伸・監修
                        平成21年   風濤社
 



極楽とは、阿弥陀さまのいるところ。
はるか西の彼方の、十万億土も離れたところにあるそうな。


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そこでは雲が五色に輝き、
その上にいろんな人が乗って空を飛んでいるそうな。



大きな蓮の浮かんだ池があって、
その池は金、銀、琉璃・・・など、七つの宝でできてるそうな。



それからここでは木が七重に並んでいて、その中に家があって、
人がいたり、人の顔をした鳥も住んでいるそうな。



空には楽器が浮かんでいてね、
勝手に鳴って、きれいな音楽を奏でるそうな。



おや?おしゃべりしているよ。何を言っているのかなぁ?


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へえ、こっちでは踊っているよ。楽しそうだねえ。


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花の上に大きな人が座ってる。
カンノンさんとセイシさんって言うんだよ。

そして極楽の国の王さまはね、アミターユス・アミターバさまって言うんだって。
すっっごく
でっかいんだよ。


アミターユス・アミターバ王は
いつもみんなを守っているんだって。
そしてこう言う。
「極楽は、きみの心のなかにあらわれる。
きみの心が極楽のけしきになるんだ。」



いつか死んだら、こんな王のいる国に行けるだろうか。


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さて、どうかな。


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えへへ、怪しいな。


ならばもう一つの「あの世」の方も、先にちょっと覗いてみるかな。




※この絵本の絵は、京都・法然院所蔵「聖衆来迎図」、愛知・貞照院所蔵「観無量寿経変相図」
を編集したものです。
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by haruno-urarano | 2010-09-10 11:07 | 日本の絵本

さんびきのこぶた

今日の絵本はこちら

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                おはなしめいろ せかいのたび 「さんびきのこぶた」
                 杉山亮・作/長新太・絵  2002年 フレーベル館




有名なものがたりをパロディ化した絵本というのはよくありますが、
このシリーズはちょっと、いえ、だいぶ手が込んでいます。
「おはなしめいろ」の言葉の通り、迷路をたどりながらお話を読んでいくのです。
道を踏み外せば当然別の話になり、「さんびきのこぶた」の結末にたどり着くことはできません。


数年前に作者の杉山亮さんの講演会に行き、
確か「あかずきん」の「おはなしめいろ」の実演を見て、
非常に面白かったので、別の本をと思い買ってみました。


「最近は昔話を知らない子どももいるけど、私は楽勝に決まってる。ふふん」
そんな風に高をくくって始めてみたら、すぐに迷子になりました。


知ってる話なのに進めない?
そうなんです。話を知ってさえいれば簡単にゴールに着いてしまうなんて、
そんなのすぐに飽きられちゃいますよね。
あちらこちらに、作者さんのイタズラが隠されているのです。


そんな企みがあるとはちっとも知らず、楽チン楽チン・・・と、数ページをクリアした後、
突如として進む道がなくなってしまったのです!
あれ???この道も、こっちも、これも、全部話が違うけど・・・???
そんな時はズルして奥の手を使い、ページのゴールから逆にたどってみたりして・・・。
仕舞いにはとうとう疲れてしまい、ギブアップ。



根性なしの私は読み終わっていない絵本を本棚にしまい込んでしまいました。
それも椅子を使わないと取れない高い所に。
今年の春、AJITOに遊びに来た友人にこの絵本の話をしたところ「見たい」と言うので、
どっこいしょっと椅子を出して久々に手にしてみました。



するとあら不思議。
二人でたどるとすごく楽しい。迷うたびに
「え~!なにこれぇ~!」 「ずるい~!」 「フェイントだよね~!」
と、最大限に盛り上がるのです。
これはつまり、お話のゲームなのですね。
双六や人生ゲームと同じで、ワイワイやるのがよいのです。
もちろん、今では一人でやっても楽しめます。



このシリーズ、有名な話を元としない迷路もあるのです。
しばらく前から、欲しいなぁと、ネット書店の「あとで買う」リストに入れてあります。
でも話を知ってたものだって、ゴールに着くのに四苦八苦したのだから、
知らない話の迷路なんて、1ページ目から進めないんじゃないかとちょっと心配です。
でも多分、買ってしまうと思います。そして今度友人が来た時に、また自慢して見せるのです。


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by haruno-urarano | 2010-09-01 22:09 | 日本の絵本