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カテゴリ:日本の絵本( 69 )

かたあしだちょうのエルフ

寂しい本だった。悲しかったような気がする。一人ぼっちだった。けど強かったんだ。

いつも見ていた。小学校の図書室で。

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今日の絵本はこちら


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         「かたあしだちょうのエルフ」   文と絵・おのき がく   1970年 ポプラ社
 



子どもというものは、気に入った絵本ばかり、飽きもせず何度でも読みたがる。
いい加減に他の本にしてよと、読み聞かせをさせられる方は、うんざりするものだ。

でもそれは、子ども時代のひとつの儀式なのかもしれない。
自分ではまだ表現することのできない何かの感情を、その本の中に見つけたのかもしれない。

だが、それはなにも子どもに限ったことではなく、
人はいつでも、お気に入りの世界に浸っていることが、一番好きじゃないか。

子どもと大人の違いを挙げるとしたら、
大人はなぜそれが好きなのか、それのどこがどんなふうに好きなのか、
それなりに説明ができるだろう。
でも子どもは、きっと、それができない。

なぜかは説明できないけれど、それを必要としている。
そこにはきっと、何かがあるんだ。
自分ではわからない、表現できない、自分の求める何かがあるんだ。
たぶん。きっと。そうだったんだろう。



学校の図書室に行くと、決まって見るのは、ムーミンの本と一本足のだちょうの本だった。
どの棚に置いてあるのか、ちゃんと知ってる。だから、
本の題名や作者なんか、覚えるつもりもなかった。

無知だった。
中学校に行くと、小学校の図書室に行けなくなるなんて、思わなかった。
だから、それっきり、会えなくなった。一本足のだちょうの本に。

時々思い出しては、会いたくなった。


  あのね、アフリカの草原かどこかの話なんだよ。
  大きなだちょうがいたんだ。
  一本足で、動けなくって、
  いつもひとりで、涙を流していたよ。でも、
  動物の子どもが背中に乗って遊んでいたよ。
  そしたらね、
  あるひ、だちょうの姿が消えて、
  大きな大きな木になっていたんだ。
  アフリカの熱い大地の、すずしい木陰になったんだよ。


いろんな人に聞いたけど、みんな知らないっていった。
本屋に行ったって、題名も作者名も知らない本は探しようがない。
唯一の手がかりは、だちょうの名前は「エルザ」。
・・・でもそれは、「野生のエルザ」のことだった。


今から15年ほど前、ついに出会えた。

「知ってる!それは、かたあしだちょうのエルフだよ!」

すごく有名な絵本だった。名作絵本と呼ばれていた。
なのにちっとも、気づかなかった。


絵本に関わる仕事をしたとき、とても大切なことを教えてもらった。

 「読み聞かせをするときには、必ず表紙から読んでください。
 絵本の題名と、作者の名前を読み聞かせてあげてください。」


私は大きくうなずいた。
せめて題名だけでも知っていれば、もっと早くに、エルフに会えたのに。

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by haruno-urarano | 2009-07-07 22:24 | 日本の絵本

おへそがえる・ごん

今日の絵本はこちら

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          「おへそがえる・ごん」 ぽんこつやまの ぽんたと こんたの 巻
                   赤羽末吉さく・え  2001年 小学館 
              (1986年福音館書店刊行→後絶版を再構成)




雨だもん、ケロちゃんのお話。

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      かえるのごんです ↓ こんちは、ごん。

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      はいこんちは、げろ。




      ごんちゃん、ごんちゃん。お腹に何をかくしてるの?み~せて。

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       ここは、ちょっと みせられない。




       あらケチね。じゃあ・・・

 

こうしちゃおっと
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by haruno-urarano | 2009-06-16 17:27 | 日本の絵本

浦島太郎

今日の絵本はこちら

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                        「浦島太郎」
         中谷宇吉郎・文 / 藤城清治・影絵 / 松本政利・写真
                    昭和26年 暮しの手帖社 発行
                   平成15年 暮しの手帖社 復刻





「ほうら。おりこうさんは、もう寝る時間だよ。」
「いやだ、いやだ。 お父さんがお話してくれなくちゃ、寝ないんだもん。」
「仕様がないねえ。ではひとつ、お話しようか。さて、何のお話にしよう。」
「浦島さんがいい。ほら、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく・・・・って。」
「よしよし。じゃあ、ぶくぶく、ぶくぶく・・・・にしようね。
 ほうら、お布団におはいり、いい子だね。」
「はーい。わあ~、お布団、あったかいねえ~。」

                 

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・・・・・そんな会話をしながら、子供たちを寝かしつけたのかなあ。
中谷宇吉郎博士だって、お家の中では普通のお父さん。
このお話は、中谷博士が子供たちを寝かしつける時に
よく話してきかせたものでした。
元の昔話のままだと短すぎるので、なるべく長くひっぱって、
だらだら、だらだらと、話を引きのばして聞かせたそうです。

どんなふうに、だらだらお話したのかな・・・


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むかしむかしあるところに、浦島太郎さんという人がいたんだって。
知ってるでしょう、浦島さんというのは、お魚をとる漁師なんだね。
漁師って、おうちは海の近くにあるんでしょう。
だから浦島さんのおうちも、海の近くにあったのね。
海のところには、白い砂浜があるでしょう。
砂浜って、平らな白い白い砂がずっとつづいてる砂浜なのね。
その白い砂の砂浜を、どんどん歩いて行くと・・・・・・



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・・・ほうら、
とっても気持ちがよくなってきたでしょう?
こんな優しい言葉でお話してもらえたら、
どんなに幸せな夢が見られるかなあ。



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自分で声に出して読んでいても、とっても気持ちがよくなって、
だんだん眠くなってくるんだよ。


ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく。
ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく。
・・・・・・・・・・・

おまじないじゃないよ。
浦島さんが亀の首につかまって、海にもぐっていくところだよ。
中谷博士のお子さんたちは、たいていこの
「ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく」
のあたりで八分通りは眠ってしまうのだって。
だからそのあとは、声を小さく小さくして、
いつまでも、いつまでも
「ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく・・・」
と言っていると、すっかり寝込んでくれるのだって。
そんな時はしめしめと、お話はそこでおしまい。
だけど、いつもそううまくいくとは限らないのね。突然、
「まだもぐるの?」
と、聞かれることがあるんだってさ。
そういう時には、仕方がないからお話の先を続けるのだってさ。



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この絵本が最初に出されたのは、
戦争が終わって、まだそんなに経っていないころのことでした。
藤代清治さんが「暮しの手帖」に影絵の連載を始めたのは昭和23年、
24歳の時でした。
当時はまだ、白黒写真だったのですね。

本のあとがきには、中谷さんと藤城さんと松本さんが、
影絵を撮影している貴重な写真が掲載されています。


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冷たーい雪の研究をした中谷博士ですが、
ぽっかぽかに温かいお父さんだったのですね。



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ぐう、ぐう、ぐう・・・


・・・おや?
みんな寝ちゃったの?

よしよし、いい夢見てね。
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by haruno-urarano | 2009-05-22 22:33 | 日本の絵本

れんげそうの詩

今日の絵本はこちら

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            「想い出の唱歌2 れんげそうの詩(うた)」  原田泰治・絵
                         昭和60年 講談社


          より、  
 
                       「朧月夜」 
              高野辰之・作詞 / 岡野貞一作曲 / 文部省唱歌



良い子のみなさん、音楽の時間ですよ。 さあ、一緒にお歌を歌いましょう♪

「さん、はい」って言ったら、下の赤い字をクリックしてね。

では、  
            さん、はい → 伴奏



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菜の花畠に、入り日薄れ
見わたす山の端、霞ふかし


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春風そよふく、空を見れば
夕月かかりて、におい淡し


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里わの火影も、森の色も
田中の小路を、たどる人も



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蛙のなくねも、かねの音も



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さながら霞める、朧月夜


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春のオマケ
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by haruno-urarano | 2009-04-16 23:13 | 日本の絵本

Yonda? z.z.zoo

今日の絵本はこちら

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   「Yonda? z.z.zoo」  by 100% ORANGE  2004 Shinchosha (NOT FOR SALE)
 
    

パンダのヨンダ君♪ 動物園に住んでます。

でもね、
この動物園は新潮文庫の→Yonda?CLUBに入らないと行けないの♪

Yonda?CLUBに絵本が加わったと知ってから、
もう一刻も早く欲しくて欲しくて、読まない本まで買い集めちゃった。

でも実をいうと、
以前にYonda?CLUBでもらった夏目漱石の文豪リストウォッチ は、
メイドインチャイナ~ってやつで、すぐに壊れたの。チッ(`∧´)

だから100% ORANGEって、どんな絵本なのか、
ワクワク80% + 不安20% の、合計100%だったの。

でもね♪ 届いてみたら、すぐにお気に入りの仲間入り!

それも非売品だから、すっごくイイキブン~♪
へへへ~ん♪ 本屋さんじゃ~売ってないんだよ~~♪

動物園のどうぶつたちは、
ああ見えて、なかなかの読書家だよ。


ぞうは面白くてページをめくる鼻がとまらなくなるし
(読んだのは芥川龍之介の「羅生門・鼻」)
百獣の王ライオンは、意外に涙もろいし
(読んだのはサガンの「悲しみよ こんにちは)
ゴリラは本を読んで人間のことを少しだけ見直すし
(読んだのはモリエールの「人間ぎらい」)
かめが読んだのは、私が最初に夢中になった作家、
北杜夫の「船乗りクプクプの冒険」!
なまけものは三文字しか読まなかったけど、上出来だと思うよ
(坂口安吾の「堕落論」)
ペンギンはトンネルを抜けて南極に行く夢を見たかな?
(読んだのは川端康成の「雪国」)


ああ・・・でもね。怒られちゃった!ヨンダ君!

どうぶつにむやみに本を与えてはいけないのっ!!

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なんでかって?
へへへ。それは読んでのお楽しみ~~♪

ヨンダ君のお友達はこちら♪
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by haruno-urarano | 2009-03-20 22:03 | 日本の絵本

桃源郷ものがたり

今日の絵本はこちら

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                      「桃源郷ものがたり」
            松居直 文 / 蔡皋 絵  2002年 福音館書店



ひとあし早く、春をお届け。

理想郷を意味する「桃源郷」という言葉。
最近はカタカナ言葉で表現されることが多いのか、
あまり耳にしなくなったような気がします。

「桃源郷」の言葉の元になったお話しは、
中国東晋時代の詩人、陶淵明が書いた「桃花源記」でした。

陶淵明が生きた時代(西暦365~427年)は、
戦乱の絶えない困窮した時代でした。
そんな時代の陶淵明が作りだした理想郷とは、
現代の人たちが求めるユートピアよりも、
もっと切実で、高尚な場所だったのではないかと思います。

陶淵明の描いた桃源郷の舞台は、中国内陸湖南省の武陵という地で、
つまりはだから、「武陵桃源」という四字熟語があるわけですね。

この「武陵桃源」、現在の福音館書店の相談役である松居直さんにとっては、
幼年期の思い出のひとつであり、「桃花源記」は心の古里でもあるそうです。
そのことは絵本のあとがき部分に語られていますが、
読んでいて、ため息を何度も何度もつきました。
ああ、やはり文化の香りに溢れる環境で育たれた方だ・・・
ああ、昔の教育水準は、何と教養の高かったことだろう・・・
ああ、さすがは福音館の松居さんだ・・・
(こちらの→福音館書店のページでも少し紹介されています。)
そしてため息は、本のページをめくるたびにも出るのです。

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この本の絵を描いた蔡皋(さいこう)さんは、
武陵桃源と同じ、湖南省の方なのです。
この淡い色彩は、きっと日本人の心をとりこにするでしょう。
特にこの桃色遣いには、もう、ため息以外の何を出せばよいでしょう。
きっと・・・原画はもっともっと、ずっとずっと美しいのだと思います。

この本を仕入れたのは昨年の今ごろでしたが、
去年出会った絵本の中で、一番のお気に入りの中の一冊となりました。

ここ ←をクリックしてみてください。中国語の「桃花源記」の朗読が始まります。
画面には、この絵本の絵が使われています。ちょっとボケていますが。
中国というと、白黒の水墨画か、赤いゴテゴテのイメージが強いですが、
実はこんな淡い色遣いの画家もいるのです。

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でもやっぱり、朗読を聞いていると眠くなりますね。

最後にもうひとつ。
湖南省の常徳には、桃源郷のモデルを名乗る桃花源村という村があります。
こんな→場所です。
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by haruno-urarano | 2009-01-24 18:56 | 日本の絵本

かげぼうし

今日の絵本はこちら。

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                「かげぼうし」  安野光雅  1976年  冨山房



子供のころ、影がとても好きでした。

いえ、影は今でも大好きですが、
子供のころは、影を自分の一部と感じていました。たぶん。


学校帰りに道を歩いていて、うしろから車が近づく音が聞こえると、
影がひかれぬようにと、
慌てて建物の影の陰に入って、影を守りました。


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そして影のことを車から守った自分を、
正義の味方のように思いました。たぶん。



影を見つけに、出かけてみました。


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形あるものには、何でも影がありました。


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木の枝の一本一本に、落ち葉の一枚一枚に、めしべの一つ一つに、
みんな影がありました。


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看板にも、自転車にも、影がありました。


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白鳥にも、おじさんにも、影がありました。


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車にも、家にも、影がありました。


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今は、もう・・・・・ 


風が冷たくなって
木の葉はみんな散って
空はどんより曇って・・・

 

この町にも、また、冬がやってきたのです。




冬になると、出番の少なくなった影たちは、
秘密の国に集まります。




そこは「かげぼうしの国」で、影のほかには
人間は入れません、
たったひとり、見張り番を除いては。



何にでも影があるのですから、
「かげぼうしの国」の冬は、それはそれは大にぎわいで、
毎日毎日、おまつりさわぎです。



見張り番の役目は、遠めがねで遠くを見張ることです。

ちょっとでも太陽が出そうになったら、
すぐに合図の鐘を鳴らさなくてはなりません。

でないと「かげぼうし」たちが、自分の持ち場につけませんから。


ところがある日、


その大切な見張り番が、「かげぼうしの国」からいなくなってしまったのです。



それはちょうど、

アンデルセンのマッチ売りの女の子が、
マッチを売りに町に来たのと、同じ日のことでした。


女の子は馬車にはねられたうえに、
靴を盗まれてしまいました。

誰もマッチを買ってはくれません。

あまり寒いので、マッチを一本すってみました。



すると・・・・


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この絵本は、

左ページには彩色画で「マッチ売りの女の子」のおはなしが、
右ページには切り絵で「かげぼうしの国」のおはなしが繰り広げられ、


最後に一つのおはなしにまとまります。


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どんなふうに一つになるか。
それは読んでのお楽しみ。



もし、「影の国」というものがあったら、
どんなことに都合がよくて、どんなことに困るか。
いろいろ想像を広げながら、
こんな国があったら、一度行ってみたいものだ・・・


と・・・、安野さんはそんなふうに思いながら、
この絵本を作ったそうです。


安野さん、安野さん・・・

ありがとう・・・・
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by haruno-urarano | 2008-12-18 19:08 | 日本の絵本

まくわうりと まほうつかい

今日の絵本はこちら。

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               あいうえおパラダイス「くわうりと ほうつかい」
                   二宮由紀子・作 / スズキコージ・絵
                        2008年 理論社



10月に第1刷が発行されたばかり。
そして昨日、「うららん図書館」の蔵書に加わったばかり。
ほやほやに温かい、「言葉のパラダイス」!


おはなしは全部で5つ。
「まくわうりと 魔法使い」
「みずうみと 三つ子の ミイラの ミステリー」
「むかでの むことり」
「めん好きの メンデルさん」
「もぐらの もうしこみ」


シリーズだけど、今まで知らなかった。
もちろん、コージズキンの新刊なので仕入れたのだけど。



まさに天国にはまったよ。もう生き返れない。


言葉とは、日本語とは、何と楽しいのだろう。


この喜びを、どう伝えよう。
この楽しさを、どう表現しよう。




そうなのだよ!


「とにかく 声にだして 読んでみて。」
「きっと ともだちにも 読んであげたくなるよ」
「ページをめくると、そこは 言葉のパラダイス」



帯の宣伝文句に、こんなに共鳴したことは滅多にない。

読みはじめて、すぐに決めた。全巻そろえる、って。

早く読みたい。「あ」で始まる話、「い」で始まる話、「う」で始まる・・・。

一番一番、興味があるのは・・・。



もちろん、「る」で始まる話!
しりとりの「る」には、さんざん苦しんだからね。


残念だけど、今は「ま」までしか出ていない。
早く早く早く、読みたいな!




つい先日、ある絵本作家のライブ講演会を聞きに行ってきたところ。
つい先日、今年の「新語・流行語大賞」発表のニュースを見たところ。



同じ日本語使いに生まれた者が、ある者は自ら天国を生みだす。
二宮由紀子さん、言葉の神さまか?それとも、まほうつかいか?


日本語よ。どうかこれからも、美しくあれ。愉快であれ。
日本語を慈しむ日本人に、育て。子供たち。
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by haruno-urarano | 2008-12-03 19:07 | 日本の絵本

おぼえていろよ おおきな木

今日の絵本はこちら。

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             「おぼえていろよ おおきな木」  佐野洋子/作・絵 1992年 講談社



それはみごとな おおきな木があって、
その木のかげの ちいさな家に
おじさんが暮らしていたんだって。

おおきな木はね
春には花がたくさん咲いて
小鳥が集まって来て さえずるし

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木の下では お茶が飲めるし
ロープを縛りつけて 洗濯物を干したり
それから ハンモックをつるして 
お昼寝ができるんだって。

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まだまだ あるよ。
秋には 赤い実がなって
葉っぱが散ったら 焼き芋を焼いて
冬には枝に たくさん雪が 積もるんだって。

そんなおおきな木が 家にもあったらいいね。

ところがね
おじさんは このおおきな木が 気に入らないんだって。

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鳥がピーチクうるさくて 朝は寝てなどいられない。
木の下で お茶を飲んでるとね 
あ!
茶碗の中に 小鳥の フンが!

そんなとき おじさんは 決まって 木をけとばしながら こう言うんだって。
「おぼえていろよ。」

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木の陰のせいで 洗濯物が 乾かないときも
ハンモックで 昼寝から目が覚めたら 毛虫がいっぱいいたときも
集めても集めても 落ち葉が 次々に 落ちてくるときも
木をけとばしながら
「おぼえていろよ。」

ある 冬の日。
おじさん目がけて おおきな木から 雪が落ちてきたんだって。
「おぼえていろよ。」と けとばしたら
雪はますます おじさんの上へ。

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「おぼえていろ!!おぼえていろ!!」

おじさんは とうとう
家から斧を持ち出して おおきな木を 切り倒してしまったんだって。

すると おじさんは

おおきな木の 花が咲かなくて 
春になったのが わからなかったんだって。
小鳥の声が 聞こえなくて
朝寝坊を してしまってんだって。
お茶を入れてみたけど 木陰がなかったんだって。

おじさんは 「ちぇっ」っと言ったんだって。

洗濯をしたけれど ロープをかける枝がない。
ハンモックはあるけれど ぶらさげる 木がない。
秋になったけど・・・
ほうきは あるけど・・・
雪が降ったら おおきな木の 切り株は
すっかり 雪に 覆われてしまったんだって。

雪が溶けると おじさんは 

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切り株の上に 倒れて
おおきな声で 泣いたんだって。
「くっくっくっ。」と
いつまでも 泣き続けたんだって。

やがて おじさんは 泣きやむと

さて 何を見つけたと思う?

どんどはれ。
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by haruno-urarano | 2008-09-03 22:26 | 日本の絵本

まほうつかいのでし

今日の絵本はこちら。

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                      「まほうつかいのでし」 
           大石真・文/柳原良平・絵  2007年 学習研究社
        (1969年同社「子供音楽館 第12巻 まほうつかいのでし」の改訂版)

むかし むかし。
この町に とても貧しい 若者がいました。
ある日 若者は お金持ちの一人娘を 一目見て
恋を してしまいました。
でも 若者には
娘の気を ひきつけるものは
何もありません。
そこで
若者は
魔法使いの弟子に なることにしたのです

・・・・・

と。
これは この絵本のお話ではなく、
さだまさしの「魔法使いの弟子」のお話です。(→ カバーですが動画
さだまさしのこのお話、とっても とっても 好きでした。
今でも 好きです。 絵本になれば いいのにな。

こちらの絵本のお話はというと、
本家本元、ゲーテの韻文を基にした、お馴染みの内容です(→ ドイツの昔話)。

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こどもの頃は 何十回も 
お話に出てくる 魔法使いになったことがあるけれど、
とうとう本物の 魔法使いには なれませんでした。

なんでかな と 思ったら
やっと理由が わかってきました。

それは

いきなり 魔法使いに なろうとしたから。
ちゃんと先生に 弟子入りしなくては ならなかったのです。
物事には 順序というものが あるのですね。

さすがゲーテは 偉いです。

もしも
ちゃんと修行をして
魔法使いに なっていたら
何をしていたかな 今頃。

 ***** ***** *****

もともと気まぐれの更新ですが
8月末まで、更新できそうにもありません。
今年もまた、部屋に缶詰の夏を過ごします。
あ~あ。魔法使いに
なっていればよかった。。。

みなさま、
よい夏の日を
お楽しみください。
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by haruno-urarano | 2008-07-09 17:48 | 日本の絵本