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きつねがひろった イソップものがたり Ⅰ

今日の絵本はこちら。
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                  「きつねがひろった イソップものがたり Ⅰ」
                       安野光雅 1987年 岩波書店


この絵本は
コン君というきつねの子が、森のはずれで拾ったものです。
なんだか面白そうなので、
とうさんに見せようと思って、持って帰りました。
とうさんは、これは「本」というもので、人間が読むのだと教えてくれました。

「じゃあ、読んでおくれよ」

と、コン君が言うと、今は眠いからダメ!と、とうさんは言いました。
でもコン君が、しきりにせがむので、とうさんは仕方なく、
いかにも眠そうに、口の中でモグモグ言ったあと、
ようやく読んでくれたのです・・・・

(「よくばりイヌ」のお話)

「イヌがいました」と書いてある・・・・
見てごらん、ちゃーんと肉を見つけてきた。
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あ、思い出したぞ。

水に映ってる自分を、ほかのイヌかと思って、
そのイヌの肉も欲しがって吠えた。
だから
くわえていた肉をポチャンと落としてしまったんだ。
で、よーく見ると・・・
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「ざまーみろ、おまえの肉もなくなったか、と言いました」
というお話だ。


・・・さてさて、どんなイソップの教訓が出てくるか。
可笑しくてホロリとさせる、
「きつねがひろった シリーズ」
安野さんお得意の世界です。
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by haruno-urarano | 2008-03-20 19:07 | 日本の絵本

うぐいすひめ

今日のお話はこちら。

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 オールカラー版 世界の童話8
     「日本の民話」
   昭和42年 小学館

  より、

    「うぐいすひめ」
 蕗谷虹児・絵/西山敏夫・文








大好きな梅の季節になるたびに、このお話を楽しみます。
幼い頃から数十年、心に焼き付けた美しい絵と共に・・・。

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春のうららかなある日、川へ釣りに来た太郎は、
ポカポカの陽気につられて歩くうち、道に迷ってしまいました。

ふと
どこからか、美しい歌声が聞こえてきます。

声の方へ歩いて行くと、女の子が洗濯をしながら歌をうたっていました。
辺りは梅の花がいっぱいで、良い香りがしました。

太郎は、女の子の家で休ませてもらうことにしました。
女の子の家はとてもきれいで、家の中にまで
梅の香りが漂っていました。

女の子は太郎に留守番を頼み、町へ買物に出かけました。

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出かける前に、二人はひとつの約束をしました。

「そのたんすの引き出しの中は、絶対に開けて見ないでください。」
「わかりました。決して開けたりいたしません。」

けれど太郎は・・・・
「ちょっとぐらい、いいだろう・・・」

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一段目には一面に緑の苗代が、風にそよそよ、そよいでいました。

「次の引き出しは何だろう・・・」

そこでは小さな小さなお百姓さんが、
稲を植えるために、田を耕していました。

「次は何だろう・・・」

あまりの不思議さに、太郎は約束などすっかり忘れ、
次々と引き出しを開けて見てしまいました。

最後まで見てしまったあと、
太郎はハッと気がつきました。
「大変なことをしてしまった。見ないと約束をしたのに・・・」

女の子は帰って来ると、
両手を顔に当てて泣きました。

「秘密のたんすを見られては、もうここには居られません」

女の子はそう言うと、外へ駆け出して行きました。

太郎が女の子を追って外へ出ると・・・
女の子の姿は消え、

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「ほう ほけきょ、ほう ほけきょ」

一羽のうぐいすが、
遠くの空へ飛んで行きました。

「ほう ほけきょ、ほう ほけきょ」

太郎はハッとして目が覚めました。
釣り糸を垂れたまま、眠っていたのでした。

全てが夢でした。
はるのうららの、川のほとりで見た、一時の春の夢でした。

 ***** ***** *****

小学館から出ていたこの「世界の童話」シリーズには、
思い出のある方も多いと思います。
小学校の図書館や児童館に行くと、全巻が揃っていました。
私の家には20巻までしかなく、残りの巻が見たくて見たくて堪りませんでした。
当時の価格で一冊390円ですが、今の5000円くらいに相当するのでしょうか。
テレビも写真も「モノクロ」が普通だった頃、子どもの絵本に「オールカラー」採用とは、
何という素晴らしい企画だったのでしょう。
浜田廣介や村岡花子、蕗谷虹児、高畠華宵、松本かつぢ等等・・・錚々たる顔ぶれが
生み出した、日本の児童文学の宝・・・と、私は勝手に信じています。
日本の子どもがフランスの少女、カロりーヌに出会えたのも、このシリーズのお陰でした。

新発田市の蕗谷虹児記念館では、「うぐいすひめ」の原画にも会うことができました。


   
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by haruno-urarano | 2008-03-03 23:03 | おはなし