ほん・ほん・絵本 

uraraehon.exblog.jp
ブログトップ

<   2008年 07月 ( 2 )   > この月の画像一覧

まほうつかいのでし

今日の絵本はこちら。

d0116262_1795178.jpg

                      「まほうつかいのでし」 
           大石真・文/柳原良平・絵  2007年 学習研究社
        (1969年同社「子供音楽館 第12巻 まほうつかいのでし」の改訂版)

むかし むかし。
この町に とても貧しい 若者がいました。
ある日 若者は お金持ちの一人娘を 一目見て
恋を してしまいました。
でも 若者には
娘の気を ひきつけるものは
何もありません。
そこで
若者は
魔法使いの弟子に なることにしたのです

・・・・・

と。
これは この絵本のお話ではなく、
さだまさしの「魔法使いの弟子」のお話です。(→ カバーですが動画
さだまさしのこのお話、とっても とっても 好きでした。
今でも 好きです。 絵本になれば いいのにな。

こちらの絵本のお話はというと、
本家本元、ゲーテの韻文を基にした、お馴染みの内容です(→ ドイツの昔話)。

d0116262_17324213.jpg

こどもの頃は 何十回も 
お話に出てくる 魔法使いになったことがあるけれど、
とうとう本物の 魔法使いには なれませんでした。

なんでかな と 思ったら
やっと理由が わかってきました。

それは

いきなり 魔法使いに なろうとしたから。
ちゃんと先生に 弟子入りしなくては ならなかったのです。
物事には 順序というものが あるのですね。

さすがゲーテは 偉いです。

もしも
ちゃんと修行をして
魔法使いに なっていたら
何をしていたかな 今頃。

 ***** ***** *****

もともと気まぐれの更新ですが
8月末まで、更新できそうにもありません。
今年もまた、部屋に缶詰の夏を過ごします。
あ~あ。魔法使いに
なっていればよかった。。。

みなさま、
よい夏の日を
お楽しみください。
[PR]
by haruno-urarano | 2008-07-09 17:48 | 日本の絵本

たべるトンちゃん

今日のお話はこちら

d0116262_1785815.jpg

                   「たべるトンちゃん」 初山滋
           原本:昭和12年 金蘭社/複刻:1993年 ほるぷ出版


日本の児童文学史を語るのに
欠かすことのできない童画家の一人、初山滋(明治30年ー昭和48年)。

奔放で反骨な精神を貫いた 江戸っ子の画家は
一方で 大変な食いしん坊でも あったそうだ。

d0116262_17273127.jpg

してみると 食いしん坊のブタの トンちゃんは
初山滋 その人だろうか・・・

d0116262_1731912.jpg

あけて みよう

古今東西、ブタというのは食いしん坊と決まっている。
それにしても トンちゃんの食欲は 異常すぎやしないか?

食べられるものなら なんでも食べたい
その気持ちは わからないでもないが。

ストーブの奴が 「この石炭は なかなか うまい」と つぶやけば

トンちゃんは 次の瞬間には もう
ストーブに化けて 石炭を食っているではないか。

シャボン玉だって 車に入れるガソリンだって
実にうまそうに 食う。

小鳥が鳴けば それは こんな歌に聞こえる。
d0116262_17484694.jpg


みんなが 自分に餌を与えるようにと
なんだかわからぬ 動物にも化けてみた。
d0116262_17444437.jpg

実は 努力するブタ、トンちゃんなのである。

d0116262_17504040.jpg


トンちゃんは 夢だって たくさん 見る。

お魚の親子が 相談している。
 「日曜日だから だれかの お腹の中へ ハイキングとしよう」
 「トンちゃんの お腹へ行こう」
それを聞きつけたウナギも
 「拙者もお伴したい」

すてきな 夢だね。

でもトンちゃん。
あんまり食べすぎるとね・・・
d0116262_17592358.jpg

ふとるんだよ。。。。。

よく太った ゾウカツより トンカツ うまそうだ
うりますよ ねだん よく

d0116262_1823631.jpg


 ***** ***** *****

昭和の12年。、7月に日中戦争が勃発しました。
その年の12月には、まだこんなナンセンスな児童書が出せたのです。

軍部が戦争を正当化するための宣伝や言論統制を行い、
田川水泡の「のらくろ」がベストセラーとなりました。

翌年から言論への圧力が厳しさを増す前の、
ぎりぎりの出版だったと言えるでしょう。

初山滋は戦時中、戦争を推進する国策には全く協力をせず、
仕事をほとんどしませんでした。

この、滑稽で無意味で大らかな児童書は、
食べることを愛した初山の、皮肉と反骨の精神から
生まれたのかもしれません。

何十年という時が流れ、
私たちはこの本を
ただ読んで、ただ笑うことができるのです。

 ***** ***** *****

私の持つこの本は、
ほるぷ出版による「名著複刻シリーズ」の中の一冊ですが、

2005年には「 よるひるプロ」という所から、復刻書が出版されました。
一冊2,415 円というお手頃価格です・・・
私はセットで十数万円モシタンダゾ~~(T0T)
[PR]
by haruno-urarano | 2008-07-06 18:47 |