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大志の歌

もう何十年と
思い出すことのなかったことば。

「少年よ 大志を抱け」

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青い空とひこうき雲を見ていたら 
この本を 読みたくなった。


今日の絵本(じゃないかも)はこちら


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                       「大志の歌」 安野光雅 2005年 童話屋



                             前を流れる櫻川
                             後ろは深き筑波山
                             蓮咲く沼のほとりこそ
                             わが故郷の誇りなれ


 
                           
空想界の巨匠・安野さん。

落語のがまの油売りの口上の名調子に酔いしれているうち
「あ、あたしゃがまだ、がまなんだ」
いつのまにか がまに。それも高校生の若人に。

学校には校歌があるはずだ。
ない?
ないのか。
ならば作ろう。



                             朝露ふくむ車前草の
                             群れ咲く下にひそやかに
                             世の行く末を憂いつつ
                             わが少年の日は過ぎぬ




校歌とは、悠々たる大自然を背景に
そこに学ぶ者の高き志を謳歌するものでなければならぬ。
そして「ああ、我ら蝦蟇高等学校」としめくくれば
校歌らしいものができるのだ。



                             霞ヶ浦を遠く見て
                             天に誓いをたてし日の
                             熱き涙は わが形見
                             ああ、筑波山わが母校




ああ
長らく使ったこともない 「嗚呼」という言葉に
すっかり興奮してしまった安野さん もとい がま。

若き日の志の 友情の なんと清らかで 美しかったこと。
そうだ。
これは天下に呼びかけて 
生物の学校の校歌や寮歌を 高らかに謳おうではないか!

ああ 
「第一回 大志の歌の祭り」は
かくして にぎにぎしく 開催されたのです。



蚤小学校の校歌は哀愁たっぷり。
                                                

                               おいらの校長 どこ行った 
                               なんでもいっぱい飲みすぎて
                               人手にかかってつぶされた
                               ああ 我等が蚤の小学校



山猫高等学校は花巻寮の寮歌を斉唱。苦学の様子が伝わるね。


                               岩手おろしにしばれる尾っぽ
                               おいらは山猫 手荒な稼ぎ
                               稼いだ金で 学校へ行くが
                               校長の賢治が 花巻き上げる



鯖高等学校はなぜか伝承歌の鯖節・・・

                          サ・バ・ダ サバダバダ サバダバダ
                              サバダバダ サバダバダ サバダバダ



鼠小学校はありがたい教えを歌にしたよ。


                             台所まではいいけどな
                             不思議な箱には入るなよ
                             そこらに美味しい餌のある            
                             うまい話にゃ気をつけろ
                             ばったん、入ったドアが閉じ
                             二度とそこから出られない




農業大学派虫類学部蜥蜴寮の寮歌は・・・あの。この歌詞 ほんとに大学生?


                      
                             ちょーろりーの ちょんちょろり
                             ちょろりッ ちょろりッちょろりの
                             りっちょン ちょン   
 
                             はてな学校はどこだっけ
                             長く休んで忘れたな
                             たぶんさくらの根のあたり
                             見かけぬ花が咲いとるな

                             はてなあの音 何の声?
                             そうだ学校の鐘かもな
                             おっとミミズが這っとるぞ
                             今日は休みときめとこう 
              




おや
デンマークやフランス、スペインからまで参加とは!
さすがは世界の安野さん もとい 世界のがまの呼びかけですな!


でもでも
第一回の祭りは 
「実行委員会」も未経験のことで 手違いもあった模様。
第二回の開催を 首を長くして待っている生物が たくさんいますよ。
安野さん。

  
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by haruno-urarano | 2010-05-25 11:19 | 日本の絵本

金曜日の砂糖ちゃん



気持ちのよい 金曜日でした。


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あたたかで 気持ちのよい午後
金曜日の砂糖ちゃんが おひるねしています。



今日の絵本はこちら


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                「金曜日の砂糖ちゃん」  酒井駒子  2003年  偕成社




金曜日の砂糖ちゃん?
ちょっと変わった名前ですね。
でも 良い名前です。


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とても可愛らしい 金曜日の砂糖ちゃんを 一目見ようと
庭のあちこちから お客さんが たくさんやって来ます。


ハチ バッタ トリ タンポポの種も
みんな 金曜日の砂糖ちゃんが 大好き。


でも
なかでも特に御執心なのは カマキリ。
誰かがちょっとでも 砂糖ちゃんに触れようとすると
怒って鎌を 振り上げます。
アッチヘユケ! アッチヘユケ!
・・・ってね。


そのおかげで 
金曜日の砂糖ちゃんは
ゆっくり たっぷり
おひるね できるのです。


おや
誰か来ましたよ。



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どこに置いても 
絵になる本だな。
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by haruno-urarano | 2010-05-14 23:50 | 日本の絵本

イワシダラケはどこにある?

AJITOの2階から夕陽を撮った。

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小野竹喬の → この絵 を思い出した。

生誕120年展は昨年から楽しみにしていたけれど、やっぱり行けなかった。
130年展も、あるかなぁ。あってほしい。

ずっと昔、友人と車に乗っていたら、あんまり夕陽がきれいなので、
思わず夕陽に向かって走っていったことがある。
でも、夕陽のありかには、着けなかった。

もっと昔、大学に通う車の中から眺める冬の浅間山がとても好きで、
ある日、大学に行くのをやめて、
浅間へ向かって走っていったことがある。
でも、チェーンがなくて、浅間の雪山までは、行けなかった。

パリで。ある美術館の窓からすばらしく気に入った建物が見えたので、
よしあそこへ行こうと、すばらしい場所へ向かって地下鉄に乗ったことがある。
でも、地下鉄に乗ると景色が見えなくて、この辺だろうと降りた場所からはもう、
あのすばらしい建物は見えなかった。

目的地へは着けなくても、
目的は達成しなくても、
それに向かっていくという、
行為が楽しい。
目的が果たせないことは、
いけないこととは思わない。
楽しみが残っているって、
うれしいじゃないか。
(もちろん念願がかなったら、最高)



今日の絵本はこちら

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          「イワシダラケは どこにある?」 ヴェラ・エッガーマン 作/小森香折 訳
                         2005年  にいるぶっくす



カッコよすぎる表紙が、大のお気に入り。
カッコよすぎるネコたちは、実は冒険家。
ただし「俄か」冒険家。

ネコだって人間だって、好きなものには夢中になる。
好きなもののためなら、冒険だって喜んでする。

「イワシダラケ」
という名の島があるらしい。
缶入りじゃない、生のイワシが山のようにある島らしい。

ネコたちは腹ペコ。
おまけに飼い主はいつ帰ってくるかわからない。
ならばゆこう!
いざゆかん、「イワシダラケ」!


私はコロッケが大好きだけど、
「コロッケダラケ」島があると聞いても、絶対に行かない。
にぎり寿司も大好きだけど、
「ニギリズシダラケ」島があると聞いても、多分行かない。

でも。
「ブツゾウダラケ」島があると聞いたら、何としても行く!
そうか。
私が仏像を好きなくらいに、ネコは鰯が大好きなんだ!


大好きなものを探し求めるネコたちの表情の、何と楽しそうなこと。
冒険につきものの危険に出くわした時の顔が、また何とも愉快。


でも。
所詮は「俄か」冒険家。
というより、腹ペコのネコ。
永遠にイワシダラケの夢を見続けるのかな。
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by haruno-urarano | 2010-05-05 09:17 | 翻訳絵本