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そうべえごくらくへゆく

今日の絵本はこちら

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                  「そうべえごくらくへゆく」  作・たじまゆきひこ
                           1989年 童心社
 
 

毎度お待たせ。「あの世三部作」、最終回の第三部は、敗者復活戦だよ!



死んだら目出度く極楽へ行くか、それともおっかねえ地獄へ落ちるかって?


んなこた死ななきゃわかんなねぇな。
生きてるうちからんなこたグダグダ心配してたら、人間なんざやってらんねぇや。
地獄だろうがなんだろうが、どこだって行ってやるさ!



・・・とかなんとか言ってさ、ホントは極楽に行く自信がないだけさ。



でもね。地獄に落ちても、それで諦めちゃ~いけないよ!
地獄と極楽って、実は隣り合わせになってるんだ。
ちょっと工夫をすれば、極楽への扉が開きそうだよ!



例えば。軽業師のそうべえさん。
それと山伏のふっかいさん、それに医者のちくあん先生。
お3人、あるとき一緒に死にまして、そろいもそろって地獄へいったとさ。



生きてるときに、どんな悪さをしたのかね?
閻魔さんの審判で、「ふんにょう地獄」行きが決まってしもた!
それもちょうど、集団食中毒でお腹を壊して死んできた者たちが、
ぴちぴち、ぴちぴち・・・・・と。うわあ・・・これはたまりませんわ。



芸は身を助く、なんて、娑婆にはそんな言葉があるけれど、
どうやらこれは、あの世にも通用するらしいよ。
まずは山伏のふっかいさんが出てきたよ。
生きてるときは、いんちきなまじないをして、悪いこともしたらしいが、
ちゃんとお山へ籠もって、修行もしたんだね。
ほら、なむ・・・・なむ・・・・と唱えたら・・・



おっとここで、閻魔さん。この人、せっかちでねぇ、
「なにをごじゃごじゃ言うとるか。はよう入れぇ!」
と、3人を小突いたら、
あらまあ、どっぽん、ちゃっぷーーん。
閻魔さんも一緒にはまってしもた、ふんにょう地獄。
でもここで、ふっかいさんのまじないが効いてしまったから大変だわい。
うんこ、がちがちに固まってしもた。板みたいになったぜよ。
あああ。閻魔さんまで、うんこの板に挟まって抜けられない。
せっかちはいかんね、閻魔さん。よく勉強し。



閻魔大王さまがふんにょうにはまってたら、仕事んなんないわ。
まじないを解いてもらわんとな。
でもタダで解くわけにゃいかんよな。
地獄の沙汰も金次第、って、娑婆だって言うもんね。
お3人、金はいらんが、極楽に連れてってもらったよ!


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おお!みごと極楽へ行って、これでめでたしめでたし!
・・・いやいや、話はまだまだ続くよ。
だってまだ、山伏のふっかいさんの芸しか出てないでしょ?
これから3人、大騒ぎして極楽の掟を破り、
阿弥陀さんに牢屋に入れられてしまうのさ。
「あしたには地獄送りじゃ」だってさ!
仏の顔も三度までって、極楽じゃ通用しなそうだね。



さあさあさあ・・・お3人さん、どうするどうする?
まさかおとなしく、地獄へ戻るなんて・・・んなこたないねぇ。
そうそうもう一人。牢屋の中でお仲間が増えて、お4人さんになりやした。
さてさてどんな技が飛び出すか。
そして最後は・・・あれー?ここは極楽?それとも・・・?


地獄を恐れる暇があったら、芸を磨こう!修行じゃ修行!
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by haruno-urarano | 2010-09-23 22:48 | 日本の絵本

地獄 

今日の絵本はこちら

あの世三部作・第二部

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                          「絵本 地獄 じごく」
                   監修・宮次男/構成・白仁成昭、中村真男 
                          1980年 風濤社
               (千葉県安房郡三芳村・延命寺所蔵「地獄極楽絵図」を編集)




死後にあの世があるのなら、
あの世に地獄と極楽があるのなら、
そしてどちらかひとつに行くことになるのなら、
やはり美しく安楽だという極楽の方へ行きたいと思う。


けれど、
極楽は西の彼方の十万億土のところにあるそうだ。
念仏行者は死後ここに生まれるそうだ。
行いを正しくしていると行けるそうだ。
私には、
極楽への道は果てしなく遠い気がする。


ならば、
もうひとつのあの世の方ならどうかと言うと、
労せず今すぐにでも行けそうな気がする。


では、
地獄ってどんなところだろうかと、
ちょっと下調べをしてみた。


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なんだか猟奇事件の現場を見ているようで、おぞましい。
・・・現実の世界で地獄と同じようなことが発生しているのは、もっとおぞましい。


この絵本を見た小学2年生たちは、異口同音に
「死ぬのはいやだ。こんなとことへ行きたくない」と言ったそうだ。


私は小学2年生ではないが、感想は小学2年生と全く同じだ。
いやだ。地獄になんか、行きたくない。


では、
どんなことをすると、どんな地獄へ落ちるのだろう。


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かまゆで地獄・・・嘘をついたり、約束を破った者は、
かまゆで地獄で、くりかえしくりかえし、煮られるそうだ。


火あぶり地獄・・・盗みをした者が落とされるそうだ。


針地獄・・・いい子ぶって告げ口したり、他の人を馬鹿にして
悪口を言ったりした者は、ここに落とされるそうだ。


火の車地獄・・・他の人の話を最後まできちんと聞かずに、
自分勝手なふるまいをする者は、火の車で地獄中を引き回されるそうだ。



まだまだ、あるぞ・・・・


いや、もう結構・・・・


ぎくり。びくり。これはまずい・・・・やはり死んだら・・・・



しかし私は、
常々蜘蛛は殺生しないようにと、心がけているぞ・・・。
芥川龍之介の影響だけじゃない。
「朝蜘蛛は縁起が良いから殺すな」と、
子どもの頃に聞いた言葉をしっかり守っているんだ。
でも白状すると、
「夜蜘蛛は縁起が悪いから・・・」
の言葉も、時々守ることがある。
蜘蛛の糸は、期待できないか・・・。



どうしよう、どうしよう・・・・。
このまま地獄へ真っ逆さま?



そうだ!あの手がある!
次回、第三部は「敗者復活戦」!









・・・それよりも悔い改めて、行いを正しくすればよいのじゃないかって・・・?




へへへ。







※風濤社より、この絵本の刊行意図を伝える言葉(部分抜粋):


私たちは、これを見る子供らが、「死ぬのはこわいことだ」ということを強く心に刻むであろうと、それを主題に絵本づくりを思いたちました。

ひとの死に対する恐れは本能といわれるものでしょうが、それはまた、学習によって強められることを、日常の経験を通して私たちは知っています。

文明は危険な環境を日々ふくらませています。それにひきかえ「死のこわさ」を学習するチャンスは、ますます遠のくばかりです。

いま、私たちが子どもらにしてやらねばならぬこと、それは、生きることのよろこびたのしさを存分に教え、と同時に自らの生命を尊び、自らそれを強く守るという心を培ってやることでしょう。それはまた、他者への思いやりや生命を尊ぶ心につながっていきます。

死を恐れることのない子どもらが育っていくとしたら、こんなにこわいことはありません。

                                      1980年8月16日 風濤社
               



※千葉県安房郡三芳村・延命寺所蔵「地獄極楽絵図」は、毎年一度、8月16日(「地獄の釜の蓋もあく」日) に一般公開されます。
もちろんまだ見たことはありませんが、「死ぬまで」に是非とも見てみたいものです。

→ 延命寺 地獄極楽絵図
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by haruno-urarano | 2010-09-17 15:21 | 日本の絵本

極楽

もうすぐ秋のお彼岸ですので、
ちょっと死後の世界でも覗いてみませんか~?

「あの世 三部作」 はじまりはじまり~♪ 


第一部 

今日の絵本はこちら


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                「絵本 極楽 ごくらく」 西川隆範・文/舛田英伸・監修
                        平成21年   風濤社
 



極楽とは、阿弥陀さまのいるところ。
はるか西の彼方の、十万億土も離れたところにあるそうな。


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そこでは雲が五色に輝き、
その上にいろんな人が乗って空を飛んでいるそうな。



大きな蓮の浮かんだ池があって、
その池は金、銀、琉璃・・・など、七つの宝でできてるそうな。



それからここでは木が七重に並んでいて、その中に家があって、
人がいたり、人の顔をした鳥も住んでいるそうな。



空には楽器が浮かんでいてね、
勝手に鳴って、きれいな音楽を奏でるそうな。



おや?おしゃべりしているよ。何を言っているのかなぁ?


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へえ、こっちでは踊っているよ。楽しそうだねえ。


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花の上に大きな人が座ってる。
カンノンさんとセイシさんって言うんだよ。

そして極楽の国の王さまはね、アミターユス・アミターバさまって言うんだって。
すっっごく
でっかいんだよ。


アミターユス・アミターバ王は
いつもみんなを守っているんだって。
そしてこう言う。
「極楽は、きみの心のなかにあらわれる。
きみの心が極楽のけしきになるんだ。」



いつか死んだら、こんな王のいる国に行けるだろうか。


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さて、どうかな。


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えへへ、怪しいな。


ならばもう一つの「あの世」の方も、先にちょっと覗いてみるかな。




※この絵本の絵は、京都・法然院所蔵「聖衆来迎図」、愛知・貞照院所蔵「観無量寿経変相図」
を編集したものです。
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by haruno-urarano | 2010-09-10 11:07 | 日本の絵本

さんびきのこぶた

今日の絵本はこちら

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                おはなしめいろ せかいのたび 「さんびきのこぶた」
                 杉山亮・作/長新太・絵  2002年 フレーベル館




有名なものがたりをパロディ化した絵本というのはよくありますが、
このシリーズはちょっと、いえ、だいぶ手が込んでいます。
「おはなしめいろ」の言葉の通り、迷路をたどりながらお話を読んでいくのです。
道を踏み外せば当然別の話になり、「さんびきのこぶた」の結末にたどり着くことはできません。


数年前に作者の杉山亮さんの講演会に行き、
確か「あかずきん」の「おはなしめいろ」の実演を見て、
非常に面白かったので、別の本をと思い買ってみました。


「最近は昔話を知らない子どももいるけど、私は楽勝に決まってる。ふふん」
そんな風に高をくくって始めてみたら、すぐに迷子になりました。


知ってる話なのに進めない?
そうなんです。話を知ってさえいれば簡単にゴールに着いてしまうなんて、
そんなのすぐに飽きられちゃいますよね。
あちらこちらに、作者さんのイタズラが隠されているのです。


そんな企みがあるとはちっとも知らず、楽チン楽チン・・・と、数ページをクリアした後、
突如として進む道がなくなってしまったのです!
あれ???この道も、こっちも、これも、全部話が違うけど・・・???
そんな時はズルして奥の手を使い、ページのゴールから逆にたどってみたりして・・・。
仕舞いにはとうとう疲れてしまい、ギブアップ。



根性なしの私は読み終わっていない絵本を本棚にしまい込んでしまいました。
それも椅子を使わないと取れない高い所に。
今年の春、AJITOに遊びに来た友人にこの絵本の話をしたところ「見たい」と言うので、
どっこいしょっと椅子を出して久々に手にしてみました。



するとあら不思議。
二人でたどるとすごく楽しい。迷うたびに
「え~!なにこれぇ~!」 「ずるい~!」 「フェイントだよね~!」
と、最大限に盛り上がるのです。
これはつまり、お話のゲームなのですね。
双六や人生ゲームと同じで、ワイワイやるのがよいのです。
もちろん、今では一人でやっても楽しめます。



このシリーズ、有名な話を元としない迷路もあるのです。
しばらく前から、欲しいなぁと、ネット書店の「あとで買う」リストに入れてあります。
でも話を知ってたものだって、ゴールに着くのに四苦八苦したのだから、
知らない話の迷路なんて、1ページ目から進めないんじゃないかとちょっと心配です。
でも多分、買ってしまうと思います。そして今度友人が来た時に、また自慢して見せるのです。


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by haruno-urarano | 2010-09-01 22:09 | 日本の絵本