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きつねのざんげ

今日の絵本はこちら

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                        「きつねのざんげ」 安野光雅
                           1979年 岩崎書店




今年もまもなく、暮れてゆく。
今年もどれだけ、嘘をついたか。


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狐は偽善者になりたかった。類い稀な、偽善者に。
だから狐は嘘をつき、人を騙し、
できるだけ狡猾に、
できるだけ卑怯に、
生きてきた。


嘘ばかりつく政治家にあこがれて、
嘘の多い書物を見ては、
偽善というものの素晴らしさに胸を打たれた。


いつの日か「偉大な偽善者」になることを夢見ながら、
狐の子どもは強くなる。
森の獅子王を騙し、
首ながの鶴をからかい、
恐ろしい狩人もまき、
仇の犬は抹殺する。


でも、


                           お月さま
                           お月さま
                        今夜のあなたは
                いつものお月さまとは ちがうように 思えます


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偽善者になるために、狐は最高の嘘をつき、そして失敗をした。
狐は狐をやめて、人間になってしまったのだ。



安野さんの「あとがき」の、大好きな部分。

    
                   私は子どもの頃、治ちゃんという子と一しょに清という
                   友達の家へ遊びにいくとき、城山の下の道で、
                   「僕はな、狐が化けとるんだぞ」
                   と突然いってみた。治ちゃんはひどく驚いた。私まで
                   恐くなって、「うそだ、うそだ」とすぐに打ち消したが、
                   この時のぞき見たフィクションの世界はいまでも忘れ
                   られずにいる。


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来年もきっと、人間はたくさんの嘘をつく。
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by haruno-urarano | 2010-12-29 16:15 | 日本の絵本

ごんぎつね

今日の絵本はこちら


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                          「ごんぎつね」
             新美南吉 作 / 黒井健 絵    1986年   偕成社




今年ももう こんな季節。 彼岸花の 咲く季節。 


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どうしてこんな 哀しいことに なったのだろう。

ほんの いたずら だったのに。 

小さな こぎつね だもの。 ひとりぼっちの こぎつね だもの。

だけど。 

小さな こぎつね だから。 ひとりぼっちの こぎつね だから。

その後悔は その心より どんなに大き過ぎただろう。    

兵十 お前は なぜ 撃った。

ほんのちょっとの 短気のために どんなに自分を 苦しめただろう。


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人生とは そんな ささいな過ちの 繰り返し だろうか。


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黒井健さんの描く 

優しく美しい 日本の秋の情景に

小さなごんの 哀しい瞳に

読むたび 涙が込み上げる。

どうしてこんな 美しい絵を 描くのだろう。

ご本人にとっても 特別な絵本とのこと。 原画を見てみたい。

  → 黒井健 絵本ハウス


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小学校では何かにつけて、クラスで「劇」をやった。
学期末だ、クリスマスだ、お別れ会だと、とにかくイチイチ「劇」をした。
あれはきっと4年生。「ごんぎつね」の「劇」をした。
自分が何の役を演じたのかは、とんと記憶にない。
「ごん」の役をやったのが、「ネズミ少年」だったことだけ覚えている。
「ネズミ少年」はちっちゃくて、色白で、ほっぺがピンクで、クチャクチャって顔をしていた。
「ネズミ少年」の演じる「ごん」は、とっても滑稽で、楽しかった。
最後に兵十が「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。」と言った時、
「ネズミ少年」は顔をクチャクチャにして「チュウ」と言った。ような気がする。
それからはいつも、「ごん」の話を思い出すたび、「ネズミ少年」の顔が思い浮かんだ。
「ごんぎつね」を読んで、涙を流すようになったのは、この絵本に出会えたおかげかも知れない。
ありがとう、黒井健さん。
「ネズミ少年」、君は今、どんな顔をしているのだろう。


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by haruno-urarano | 2009-09-04 23:22 | 日本の絵本

きつねがひろった イソップものがたり Ⅰ

今日の絵本はこちら。
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                  「きつねがひろった イソップものがたり Ⅰ」
                       安野光雅 1987年 岩波書店


この絵本は
コン君というきつねの子が、森のはずれで拾ったものです。
なんだか面白そうなので、
とうさんに見せようと思って、持って帰りました。
とうさんは、これは「本」というもので、人間が読むのだと教えてくれました。

「じゃあ、読んでおくれよ」

と、コン君が言うと、今は眠いからダメ!と、とうさんは言いました。
でもコン君が、しきりにせがむので、とうさんは仕方なく、
いかにも眠そうに、口の中でモグモグ言ったあと、
ようやく読んでくれたのです・・・・

(「よくばりイヌ」のお話)

「イヌがいました」と書いてある・・・・
見てごらん、ちゃーんと肉を見つけてきた。
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あ、思い出したぞ。

水に映ってる自分を、ほかのイヌかと思って、
そのイヌの肉も欲しがって吠えた。
だから
くわえていた肉をポチャンと落としてしまったんだ。
で、よーく見ると・・・
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「ざまーみろ、おまえの肉もなくなったか、と言いました」
というお話だ。


・・・さてさて、どんなイソップの教訓が出てくるか。
可笑しくてホロリとさせる、
「きつねがひろった シリーズ」
安野さんお得意の世界です。
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by haruno-urarano | 2008-03-20 19:07 | 日本の絵本