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めんどりとこむぎ


麦畑を見ていると
よく、大好きだった笠智衆のことを思い出すのですが、

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先日はふと、むかし読んだお話を思い出しました。

たしか・・・

ヒバリのお母さんがいて、麦畑でせっせと働いていました。
ネコだかイヌだかブタだかがいて、
ヒバリに仕事を手伝ってと頼まれたのに、
ヤダヨと言って遊んでいました。

やがて小麦が収穫されると、
ヒバリはおいしいケーキを作って、子供たちに食べさせました。
そこへあのネコだかイヌだかブタだかがやって来ると、
ヒバリのお母さんは
気前よく家の中に招き入れて、
みんなで仲よくケーキを食べましたとさ。
めでたし、めでたし。

そう、多分こんなお話でした。
               
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麦畑を眺めながら、
あのお話は、実によい話だったな~と思いました。

イソップのアリさんより、私はだんぜんヒバリさんが好きです。
世の中にヒバリさんのような人がたくさんいてくれれば、
私もいつでも、おいしいケーキが食べられるのに・・・。

何ていう題のお話だったかな?
小学館の「世界の童話」を探してみました。
どの巻だったかな・・・?

だけど・・・
日本の民話でもないし、グリムでもアンデルセンでもないし、
そんごくうでもピーターパンでも、もちろんカロりーヌでもないし・・・。

となるとイソップくらいしか残らない。
けど、それはおかしい。
あのご教訓好きのイソップに、
こんないいお話があるなんて、絶対にありえない。

そう思いながら、
一応、念のため、まさかと思いつつも、開いてみると・・・


今日のお話はこちら
(やっと本題)

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             オールカラー版 世界の童話16 「イソップの絵話」
                       昭和43年 小学館


    より、「めんどりとこむぎ」


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え~~!イソップだったんだ~~!
へぇ~、イソップが働かざるものにケーキを食わすなんてね~!
いや、感激しました。イソップさんを見直しました!

でもイソップさん、
それじゃ「アリとセミ」のご教訓と矛盾しませんか?

なになに・・・
めんどりと ぶたと あひるが ひとつの家に住んでいました。

・・・登場動物は違いましたが、話の流れは記憶と同じです。

そしてそうそう、この絵。覚えていますよ、このケーキ!

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何ておいしそうで、大きなケーキ!
この本を読んでいたころ、
パウンドケーキなんて、多分名前さえ知りませんでした。
うっとりとした目で、このページを眺めていた自分の姿が想像できます。

でも、結末は・・・

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イソップは、やっぱりイソップだったのでした。見直し撤回。

思い出は、追わないのが美しい。これまたひとつのご教訓。

でも一体、私の作り話はどこから生まれたのでしょう。
ケーキのある食卓に憧れるあまり、
自分の夢の通りに話を昇華させていったのでしょうか。

こうやって、
元の物語はひとつであっても、
きっと一人一人の胸の中に、
自分だけの物語が生まれていくのでしょう。
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by haruno-urarano | 2009-06-06 23:46 | おはなし

うぐいすひめ

今日のお話はこちら。

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 オールカラー版 世界の童話8
     「日本の民話」
   昭和42年 小学館

  より、

    「うぐいすひめ」
 蕗谷虹児・絵/西山敏夫・文








大好きな梅の季節になるたびに、このお話を楽しみます。
幼い頃から数十年、心に焼き付けた美しい絵と共に・・・。

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春のうららかなある日、川へ釣りに来た太郎は、
ポカポカの陽気につられて歩くうち、道に迷ってしまいました。

ふと
どこからか、美しい歌声が聞こえてきます。

声の方へ歩いて行くと、女の子が洗濯をしながら歌をうたっていました。
辺りは梅の花がいっぱいで、良い香りがしました。

太郎は、女の子の家で休ませてもらうことにしました。
女の子の家はとてもきれいで、家の中にまで
梅の香りが漂っていました。

女の子は太郎に留守番を頼み、町へ買物に出かけました。

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出かける前に、二人はひとつの約束をしました。

「そのたんすの引き出しの中は、絶対に開けて見ないでください。」
「わかりました。決して開けたりいたしません。」

けれど太郎は・・・・
「ちょっとぐらい、いいだろう・・・」

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一段目には一面に緑の苗代が、風にそよそよ、そよいでいました。

「次の引き出しは何だろう・・・」

そこでは小さな小さなお百姓さんが、
稲を植えるために、田を耕していました。

「次は何だろう・・・」

あまりの不思議さに、太郎は約束などすっかり忘れ、
次々と引き出しを開けて見てしまいました。

最後まで見てしまったあと、
太郎はハッと気がつきました。
「大変なことをしてしまった。見ないと約束をしたのに・・・」

女の子は帰って来ると、
両手を顔に当てて泣きました。

「秘密のたんすを見られては、もうここには居られません」

女の子はそう言うと、外へ駆け出して行きました。

太郎が女の子を追って外へ出ると・・・
女の子の姿は消え、

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「ほう ほけきょ、ほう ほけきょ」

一羽のうぐいすが、
遠くの空へ飛んで行きました。

「ほう ほけきょ、ほう ほけきょ」

太郎はハッとして目が覚めました。
釣り糸を垂れたまま、眠っていたのでした。

全てが夢でした。
はるのうららの、川のほとりで見た、一時の春の夢でした。

 ***** ***** *****

小学館から出ていたこの「世界の童話」シリーズには、
思い出のある方も多いと思います。
小学校の図書館や児童館に行くと、全巻が揃っていました。
私の家には20巻までしかなく、残りの巻が見たくて見たくて堪りませんでした。
当時の価格で一冊390円ですが、今の5000円くらいに相当するのでしょうか。
テレビも写真も「モノクロ」が普通だった頃、子どもの絵本に「オールカラー」採用とは、
何という素晴らしい企画だったのでしょう。
浜田廣介や村岡花子、蕗谷虹児、高畠華宵、松本かつぢ等等・・・錚々たる顔ぶれが
生み出した、日本の児童文学の宝・・・と、私は勝手に信じています。
日本の子どもがフランスの少女、カロりーヌに出会えたのも、このシリーズのお陰でした。

新発田市の蕗谷虹児記念館では、「うぐいすひめ」の原画にも会うことができました。


   
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by haruno-urarano | 2008-03-03 23:03 | おはなし