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ぜつぼうの濁点

今日の絵本はこちら

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                             「ぜつぼうの濁点」
                         作・原田宗典/絵・柚木沙弥郎
                             2006年 教育画劇




一年の締めくくりに
今年最も衝撃を受けた この絵本を
皆さまに
心を込めて お勧めします
「ぜつぼうの濁点」・・・・


それは 昔むかし 
言葉の世界の 真ん中の 
おだやかな ひらがなの国で起きた ひとつの事件


南部のひなびた 「や」行の町の 道ばたに
 「゛」 のみが 
ぽつねんと 置き去りに
そんな読めもしない不手際は
ここ千年に一度もなかったことでした


実はこの濁点は
山の向こうの深い森に住む 「ぜつぼう」に
長年仕えた 濁点でした


数百年間 忠実に 職務を果たし続けた濁点は 
ある日
主の「ぜつぼう」が 年がら年じゅう不幸でいるのは
もしや自分のせいではないかと 思うようになったのです


自分みたいな「゛」がついていなければ
主は 「せつぼう」 という悪くない言葉でいられたのに


濁点は悩んだ挙句 主人に捨てられる道を選んだのです
そしてこの際 「や」でも「よ」でもいい
お望みならばくっついて 誠心誠意ご奉公しますと
「や」行の町の住人に 土下座をしてお願いしました


でも
「やぶからぼう」も「やくにん」も 
「ゆすり」や「やくざ」でさえ


絶望にくっついていた濁点だって!?
そんないまわしい奴を誰が!
おお嫌だ おお嫌だ!


取り残された よるべない濁点の前に 
「無意味な奴というのはお前か」と言って
押しつけがましく立ったのは


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大きな「おせわ」の三文字でした


大きな「おせわ」の仕事は
この世に存在する意味もない奴を世話すること


「すぐに何とかしてやるからな」 そう言って
濁点を連れて行った場所は
以前に 主の「ぜつぼう」が
何度も足を運んでは 引き返したことのある


「し」の沼
でした


「さあこの中に飛び込んで 溶けてなくなってしまえ」
大きな「おせわ」はそう言って
濁点を「し」の沼の中に 放り込みました


・・・



さあ 
いかがです?
読みたくなったでしょう?


読めばきっと
「ぜつぼうの濁点」の身の上に 涙を流し 
深い深い ため息が出て
絶望的な 気分になりますよ


そして 
最後の最後に


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ああ それは お教えできません
読んだ人しか 味わえません



「絶望」。それは生きている間に何度か、または何度でも、出会うものだと思います。
どのくらいの苦難を「絶望」と感じるかは、個人差があるでしょう。
私も「絶望」的な気分を味わったことがありました。
きっとこれからも、あるのでしょう。
そんなとき、この絵本をきっと、読み返すでしょう。
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by haruno-urarano | 2009-12-27 18:40 | 日本の絵本

せんねん まんねん

       今日の絵本はこちら

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                            「せんねん まんねん」
                       まど・みちお 詩/ 柚木沙弥郎 絵
                              2008年 理論社





        まどさん 今年 100歳    柚木さん 今年 87歳
           ふたりあわせて      せんねん まんねん    まだ遠い。


           ねえ まどさん      100年は   ながい みじかい?


           ねえ 柚木さん      まだ 人が  やってこなかったころ
       はるなつあきふゆ は      こういう色   していたのかな。


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               もう 人が     やってきて

            ながいみじかい       ・・・

   

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       ***** ***** ***** ***** ***** *****


           周南市美術博物館


            YUNOKI samiro
        


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by haruno-urarano | 2009-09-29 22:07 | 日本の絵本