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ことばあそびうた

今日の絵本はこちら

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                「ことばあそびうた」 谷川俊太郎・詩/瀬川康男・絵
                           1973年 福音館書店



大好きだった瀬川さん。死んじゃったんだ。
「いないいないばあ」から「絵巻平家物語」まで、どの絵本もみ~んな好きだけど、
どれが一番好きかって、選ぶとしたら・・・
やっぱりぜ~~~んぶ、一番好きかなぁ~~。。。
いや、ホントは全部が一番ってわけじゃないけど・・・
一番好きな本がい~~っぱいあるのはホントのことで、
「ことばあそびうた」はモチロン、一番の中でも第一番の中の一冊に決まってる!
だってこの本は、初めて買った瀬川さんの絵本なんだもん。
あんまりこの本が気に入って、どんどん瀬川さんの本が欲しくなったんだもん。


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                         やんまにがした
                         ぐんまのとんま
                         さんまをやいて
                         あんまとたべた  

愛県精神旺盛の群馬県人が、この詩を愛誦せずにいられるものかや!

                       
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                          おうみのねずみ
                          くるみをつまみ
                       
                          さがみのねずみ
                          さしみをうのみ

                          つるみのねずみ
                          ゆのみでゆあみ

                         ・・・・以下絵本参照

さてさて、貴殿のお国は詠まれてござるかのう?昔の名には、尻に「み」がついてござったかのう?


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                         ひとだまひとつ
                         ふたしてふたつ
                         みつめてみっつ
                         よつゆによっつ
                        ・・・・以下絵本参照

なんだかちょっと、艶っぽいかぞえうただなぁ・・・?


どの詩も何度でも口ずさみたくなる。
どの絵もいつまでも眺めていたくなる。
ずーっと遊んでいよう。ことばあそび。


さてここで問題です。
             
                         まんまとにげた
                         ぐんまのやんま

                         ・・・は、その後どうしたでしょうか? 


正解は、
絵本を見てね♪
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by haruno-urarano | 2010-04-07 22:16 | 日本の絵本

はじめてであう すうがくの絵本1

今日の絵本はこちら


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                  「はじめてであう すうがくの絵本1」  安野光雅
                           1982年 福音館書店




気づいた時にはもう、数学も算数も計算も電卓を打つのも大きらいだったけど、
安野さんが私の先生だったら、
きっと私も数学が好きになったに違いない。
だってね。数学者の藤原正彦さんは、安野さんの教え子なんだよ。
ただし教わったのは、小学校の図画工作だったのだけどね。


小学校といえば、学校に入学する前に、テストみたいな面接をしたのを覚えている。
一人で教室に入ると、大人の人が三人くらいいて、
机の上に冊子が広げてあって、ここに描いてあるのと同じ絵を見つけろとか、
さっきの絵とこっちの絵の違いを言えとか、
この図の形は丸か三角か四角かとか、
あとは色盲の検査みたいな絵を見て何の絵が描いてあるとか言わされたように思う。


この絵本を初めて見たとき、ははあ、これはあの時のテストに似ているな、
するとあれは「すうがく」のテストだったのか、
しかしこれが「すうがく」であるならば、私は絶対に「すうがく」が得意なはずなのに、
いつから「すうがく」は「数学」になってしまったのか、
さては「甲乙二人の旅人あり、甲は一時間一里を歩み乙は一里半を歩む・・・
・・・乙の旅人は何時間で甲の旅人に追いつくか」
などと愚にもつかぬことを寄り道好きな幼き者に問いただすあたりから、
楽しい「すうがく」はニックキ「数学」へと成り下がってしまうのに違いない。



でも考えてみれば、寺田寅彦さんだって、小学時代に一番きらいな学科は算術で、
先の「甲乙二人の旅人あり・・・」の問題がどうしてもわからなかったと言うのだから、
東大を出て物理学者になるようなすごい人でさえ子どもの時分にできない問題を、
ただのいたいけな大人になっただけの私の子どもの時分にできるはずがあるわけない。

そう。それでいい。
神さまは安野さんに、何でもお与えになったんだから。
だから私には、何もなくていい。
ただ安野さんの作品を、いつまでも楽しめればそれでいい。
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by haruno-urarano | 2010-03-03 08:53 | 日本の絵本

旅するベッド

今日の絵本はこちら

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                               「旅するベッド」
                      ジョン・バーニンガム 作 / 長田弘 訳
                            2003年 ほるぷ出版



子どものころ憧れたことのひとつに、ベッドに眠る生活があった。
もっと正確に言うと、ベッドを半分起こして床に就いたままお食事をする生活に、とっても憧れた。
ベッドに身を起こして温かいスープをすすり、お絵かきをしたりお話をしたり・・・
ああ、今考えても、すっごく素敵。

夢を実現すべく、風邪をひいて学校を休んだとき、
敷布団の下に座布団をいっぱい詰め込んで高くして、
ベッドに身を起こす病がちなか弱き美少女を演じてみた。
だけど。
はかなげな美少女に座布団はやっぱり絵にならないし、背中が平らじゃなくて、寝心地が悪かった。
だからずっと、本物のベッドに眠る生活に憧れていた。

おまけに私は、三度のご飯とお八つと眠ることが大好きだった。
よく「人は一生の三分の一を眠って過ごす」と言うけれど、
私の場合は人生の半分を眠って過ごすかもしれない、それもまた悪くないと思った。
朝目が覚めると、「早く夜にならないかな~。また寝られるのに」と、よく思った(今も思う)。

もひとつおまけに、私はずっと、旅をこよなく愛してきた。
職業は「旅人」でありたいと思ったこともある。

だからつまり、この絵本は私の夢をひとつに集めたみたいな本なのだ!
ベッドの上で眠れて、寝ている間に旅ができる!どこへでも、自由に!!
ああどこへ行こう!どこへでも行ける!!毎晩!!!ベッドに寝ながら!!!!!!!


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そんな夢のような古いベッドを手に入れたジョージー。
でもね、魔法のベッドを使うには、「おまじない」を唱えないとならないの。
おまじないの文句がベッドの頭に書かれているのだけど、もう字かかすれててよく見えない。
最初の字は「M」・・・、えーと・・・最後が「Y」・・・あとは、わかんない!!

「マネー」、「メイティ」、「マミー」、「マーキー」・・・・・・・・・
一日目の夜、ジョージーは色んな言葉を試してみたけど、魔法は起こらなかった。

次の朝、
「月へ行ってきた?アマゾンをさかのぼった?」
家の人にからかわれた。
そうそう、大人ってやつは、たいていそうよ。だから、もう教えるもんか!ね、ジョージー!
二日目の夜、ジョージーはまた魔法の言葉を・・・・

言い当てた!!!!!!!


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長じて私は何年もベッドに眠る生活を体験した。リクライニング・ベッドではなかったが。
今はまた布団に眠る生活を送っている。
そしてやはりベッドが欲しい。
理由は万年床でいられるから。
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by haruno-urarano | 2010-01-05 11:00 | 翻訳絵本

ぜつぼうの濁点

今日の絵本はこちら

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                             「ぜつぼうの濁点」
                         作・原田宗典/絵・柚木沙弥郎
                             2006年 教育画劇




一年の締めくくりに
今年最も衝撃を受けた この絵本を
皆さまに
心を込めて お勧めします
「ぜつぼうの濁点」・・・・


それは 昔むかし 
言葉の世界の 真ん中の 
おだやかな ひらがなの国で起きた ひとつの事件


南部のひなびた 「や」行の町の 道ばたに
 「゛」 のみが 
ぽつねんと 置き去りに
そんな読めもしない不手際は
ここ千年に一度もなかったことでした


実はこの濁点は
山の向こうの深い森に住む 「ぜつぼう」に
長年仕えた 濁点でした


数百年間 忠実に 職務を果たし続けた濁点は 
ある日
主の「ぜつぼう」が 年がら年じゅう不幸でいるのは
もしや自分のせいではないかと 思うようになったのです


自分みたいな「゛」がついていなければ
主は 「せつぼう」 という悪くない言葉でいられたのに


濁点は悩んだ挙句 主人に捨てられる道を選んだのです
そしてこの際 「や」でも「よ」でもいい
お望みならばくっついて 誠心誠意ご奉公しますと
「や」行の町の住人に 土下座をしてお願いしました


でも
「やぶからぼう」も「やくにん」も 
「ゆすり」や「やくざ」でさえ


絶望にくっついていた濁点だって!?
そんないまわしい奴を誰が!
おお嫌だ おお嫌だ!


取り残された よるべない濁点の前に 
「無意味な奴というのはお前か」と言って
押しつけがましく立ったのは


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大きな「おせわ」の三文字でした


大きな「おせわ」の仕事は
この世に存在する意味もない奴を世話すること


「すぐに何とかしてやるからな」 そう言って
濁点を連れて行った場所は
以前に 主の「ぜつぼう」が
何度も足を運んでは 引き返したことのある


「し」の沼
でした


「さあこの中に飛び込んで 溶けてなくなってしまえ」
大きな「おせわ」はそう言って
濁点を「し」の沼の中に 放り込みました


・・・



さあ 
いかがです?
読みたくなったでしょう?


読めばきっと
「ぜつぼうの濁点」の身の上に 涙を流し 
深い深い ため息が出て
絶望的な 気分になりますよ


そして 
最後の最後に


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ああ それは お教えできません
読んだ人しか 味わえません



「絶望」。それは生きている間に何度か、または何度でも、出会うものだと思います。
どのくらいの苦難を「絶望」と感じるかは、個人差があるでしょう。
私も「絶望」的な気分を味わったことがありました。
きっとこれからも、あるのでしょう。
そんなとき、この絵本をきっと、読み返すでしょう。
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by haruno-urarano | 2009-12-27 18:40 | 日本の絵本

くぎのスープ

今日の絵本はこちら

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                          「くぎのスープ」 スウェーデン民話
                菱木晃子・文/スズキコージ・絵 2009年 フェリシモ出版






これはキャロラインから初めて聞かせてもらったお話。

自信はないけど、多分そう。

キャロライン母さんが暖炉の前で、いかにもいい香りだという顔で話をするのを、
メアリーは目をキラキラさせながら、ローラは唾をゴックンと飲み込みながら、
そして私はTVの前で、夢中になって聞いていた。

そう、大好きだった、「大草原の小さな家」のこと。

そのお話が、コージズキンの絵本になった!すぐ買った!

そうそう、やっぱりあの話。
「くぎ」1本だけで王様に出しても恥ずかしくないスープが出来ちゃうあの話!

子どもの頃は、おもしろいと思っただけだったけど、
今は色んなことを考える。

おばあさんはケチで愚かだったけど、単純に騙されるのも、案外幸せかもね。
いつまでも、このトリックに気づかないのかな?
旅人は、こいつはもしや、プロのペテン師ってやつ?
行く先々で、「くぎのスープ」をご披露しているのかな?

だとしたら、
いつか私の所へ来てちょうだい!
私は絶対騙されないぞ!
でもね、
騙されたフリはしてあげる。
だって飲みたいもん!
王様に出しても恥ずかしくない、「くぎのスープ」。
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by haruno-urarano | 2009-12-20 08:52 | 日本の絵本

ちょっときて

今日の絵本はこちら

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                         「ちょっときて」 瀬川康男
                           1996年 小学館




何度読んでも いつも大好き。
ねずみとねこの ぽかぽか絵本。


甘えん坊の ねず嬢に 首ったけの ねこ爺さん。
かな。

上目遣いに 「ちょっときて」 
なんて 甘い声でも出せばもう ねこメロメロ。

だからわざと 言ってみる。
「ちかづかないで」

ほうら ねこ 期待通りの顔をする。


「あっちへいって」
「もってきて」
「とんでみて」
何でも言うこと聞いてくれる。

だから安心。

でもね。

「いっちゃって」
そんなこと 言ってもいいの?

「はやくいって」

あ。
行っちゃうよ。

ねこちゃん ホントに 行っちゃうよ。

いいの? いいの?


でも。 今夜は月夜かな?


「○○○○○」


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ねず嬢に もてあそばれる。
そんなフリして 小さな「悪女」 喜ばせる。
ねこ爺さん。

いつも仲良し。

いつもぽかぽか。
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by haruno-urarano | 2009-12-02 21:39 | 日本の絵本

ももたろう

今日の絵本はこちら

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                                 「ももたろう」  
              作/水谷章三 絵/スズキコージ  2003年  にっけん教育出版社




見てみて~、この二人の顔~。

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なんかとっても楽しそうねぇ~。
ももたろうさん、カワイ~顔して、
おじゃる丸の「ももマン」とどっちがカワユイかな~♡
    (そりゃヤッパリおじゃるかな・・・)


二人で仲よく、何してんのかな~。
そうだ鬼さん、ももたろうさんにリンパの足踏みマッサージしてもらってんのかな?
「あ~~ヨイ気持ちじゃわい。うむ、そこそこ。もっと強くぅ~」
とか、言ってそう。
ももたろうさんはね、「次は僕の番だからねぇ~~。」って言ってるの。


そうなのですよ。
この「ももたろう」、フツーの「ももたろう」とはチョイト違うんですよ。
なんてったってコージズキンの「ももたろう」ですからね。
・・・と言っても、愉快なお話を書いたのは、水谷さんですけど。


この本に出てくる桃太郎は、優等生の英雄の少年なんかじゃなくて、
食っちゃ寝、食っちゃ寝、ごろごろごばかりしている男の子。
鬼退治に行く途中で出会うイヌ、サル、キジには、大事なきびだんご、
「ひとつはやれん、はんぶんだ」


そうだよ、そうだよ!オコサマたるもの、
ナマケモノで、タイセツナモノは簡単には手放さないのさっ!
だけどつよーいモノがダイスキで、エイ・ヤー・トーッ!って大暴れがしたいのさっ!
イイゾ!これぞオコサマの鏡!


つまりなにさ、この本に出てくる桃太郎は、
宿題も家の手伝いもせずに遊んでばかりいて、だけど絶対ヒーローになりたい、
キミタチなのさっ!


そんなキミタチ、もし本物のヒーローになりたければね・・・


へへへ。
オリコウなんか、しちゃイケナイよ♪


さあこの本を読んで、今日もイッパイなまけるのさ~~♪


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by haruno-urarano | 2009-11-21 23:23 | 日本の絵本

たこしんごう

今日の絵本はこちら


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             「たこしんごう」   作・絵/赤川明  2000年  ひかりのくに発行 



うまそう~?
な、タコの爺ちゃんと孫ちゃんが、仲良くお散歩~♪

今年ももう11月。
ぽっかぽかのおひよりに、の~んびりお散歩、したいよねぇ~。
あ、違った。ここは海の中だった。
じゃあ、もう水もチメタイ季節だよ~。


でも、タコの爺ちゃんと孫ちゃんなら、チメタイ水の方がいいよね。
熱かったらユデダコになっちゃうもん!


茹でたてのユデダコ、食べたいニャー♡


海の中は美味しそうなお魚さんがイ~~ッパイで、いいなぁ~。
うん、海中散歩も悪くない・・・美酒持参で食べ放題!
あ、でも息ができないかも?
いやいや、浦島さんだって海の中でご馳走食べたんだから、きっと大丈夫~♪


ほらほらタコの爺ちゃんと孫ちゃん、のんびりしてると食べられちゃうよっ!


でもね。爺ちゃんと孫ちゃん、先に進めないのよ。
だってスンゴイ魚の群に行く手を阻まれちゃったのだもん!


これ、鯵かな?鰯かな?
いや、鮪?鯛?・・・って、群れるのかな?
でもたい焼きにも見えるよね。
さては「およげたいやきくん」の末裔かな?


う~ん、こんだけいたら・・・刺身でしょ~、塩焼き~、
から揚げに、ツミレ汁、煮魚もいいし~、干物もいいねぇ~。
お魚好きでもさすがに食べ飽きちゃうかなぁ~。


そうそう。自分の話はサテオイテ、タコの爺ちゃんと孫ちゃんでした。


魚の群がちっとも途切れないから、手を挙げて

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「わたりまあ~す!」・・・・・「へい、どちらまで?」


魚相の悪いタクシーの運ちゃんしか止まってくれないよぉ~~!
んもう~っ!タコの孫ちゃん、怒って墨をブブーッと吐いちゃいました。


爺ちゃん、監督不行届き?で魚たちにモーレツに叱られペコペコ・・・。
もうガックリしちゃって、「孫よ、散歩はやめじゃ・・・」


え~~~?諦めちゃうのぉ~~?


だれか~、タコの爺ちゃんと孫ちゃんのお散歩を助けてぇ~~!!


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by haruno-urarano | 2009-11-07 12:58 | 日本の絵本

鬼ぞろぞろ

今日の絵本はこちら


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                                 「鬼ぞろぞろ」   
                            舟崎克彦/文  赤羽末吉/絵
                               1978年 偕成社




ある日突然、透明人間になったら、どうしますか?

「世間を騒がす不思議なこと」が、何でもできて・・・

欲しかったあれも、食べたかったこれも、何でもこっそり手に入り・・・

無賃乗車でどこでも行けて、高級ホテルや一流旅館にもぐり込み・・・

銀行ギャングも捕まる心配なんてなく、いやそもそも、お金なんて必要ない・・・

透明人間、なんてステキ・・・!


でも・・・、

透明人間は、存在してても誰にも認められない・・・

いてもいなくても、誰も気にしない・・・

ジブンナンテ ドウセ ヤクタタズ ジブンナンテ ドウセ イタッテイナクタッテ・・・

ふふふ、

透明人間って、まるでダレカサンみたい・・・

透明人間、やっぱりヤかな・・・!

でもやっぱり、ちょっとは憧れる、透明人間。


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今は昔、大晦日の夜おそく、都のほとりを、身分の低い侍が歩いていると、
行く手から、松明を灯した行列がやって来た。近づく影を見ればそれは、鬼の行列であった。
鬼に見つかった男は、もはやこれまでと観念したが、鬼たちは口々に男に唾を吐きかけ、歩み去った。
すると不思議、鬼の唾で男の姿がすっかり消えて、男が家に帰っても、誰一人、男の姿に気づかない。
男は元の姿に戻ろうと、神仏の力にすがるため、三条の六角堂へ出かけ、一心に観音様に祈り続けた。
腹が減ると、参拝客の弁当を盗んで食べた。むろん、誰も気づかない。
男はそのうち、うまいことを考えついた。・・・どうせ見つからないのなら、ひと儲けしてくれよう・・・。
悪さを覚えた男は、またたくまに財宝をためこんだ。あとは観音様が元の姿に戻してくれればいうことなしだ。
そんなある日、男は夢の中で、観音様のお告げを聞いた。
   日が昇ったらここを出よ。そして初めに出会った者のいうことを聞くがよい。
   幸福になるもならぬも、お前次第じゃ。
翌日、男が最初にあったのは、見るからに恐ろしげな牛飼いであった・・・・


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さて男は、悪に落ちてしまうのだろうか。それとも男の本性は、善であるのだろうか。
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by haruno-urarano | 2009-10-18 16:21 | 日本の絵本

こしおれすずめ



今日の絵本はこちら
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                           「こしおれすずめ」 
                      瀬田貞二・再話/瀬川康男・画
                          1977年 福音館書店



              ***** ***** *****  ***** ***** *****

         むかしむかし

         心の優しいおばあさんが 腰の折れたすずめを助けて 熱心に介抱しました。
         すずめの怪我が治ると おばあさんは すずめを自然に放しました。
         しばらくすると おばあさんの所に 助けたすずめがやって来て 
         ひょうたんの種を ひとつぶ 置いていきました。
         種をまくと芽が出て ぐんぐん大きくなり みごとな実が たくさんなりました。
         おばあさんは ひょうたんを村じゅうに配り よその村にも配り
         あまった実を ひさごにするために 吊るして乾かしました。
         なんかげつか過ぎて ひさごを降ろしてみると ずっしりと重いのです。
         ふしぎに思って 口を開けてみると お米がぎっしりつまっていました。
         お米はいくら食べても減らないので おばあさんの家は 富栄えました。

         さて
         この家の隣にも おばああんがいました。でも このおばあさんは 家の者から
         「同じばあさんでも こっちはダメさ」 なんて言われていました。
         おばあさんはクヤシイものですから こっちも腰折れすずめを見つけてやるんだと
         あちこち探し歩きましたが 見つかりません。
         そこで自分ですずめに石をぶつけて 落ちたすずめの腰骨をキッパリと折って
         こうして三羽のすずめを飼うことに成功しました。
         すずめたちがよくなると おばあさんは すずめを外へ放り投げました。
         しばらくすると  おばあさんの所に すずめたちが ひょうたんの種を持って来ました。
         おばあさんは 喜んで種をまき ひょうたんは たいそう大きくなりました。
         ひょうたんの実はあまりなりませんでしたが おばあさんは しぶしぶお裾分けもしました。
         でもこの実を食べた人は まずくてみんな 胸が悪くなりました。
         おばあさんは 「米にならぬうちに食べたせいだ」 と言って 残りを吊るしておきました。
         なんかげつか過ぎました。
         おばあさんが にかりにかり 笑いながら ひさごの口を切ると 
         はち あぶ むかで へびが ぞろぞろと飛び出し おばあさんの 体じゅうを刺しました。
         おばあさんは 二度と立てないほど 重い病のとこに ついてしまいました
        
         とさ。    
      
              ***** ***** *****  ***** ***** *****


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  ちょっとだけ むかしむかし
  うららちゃんは アリさんと大の仲よしで いつもアリさんの遊び相手をしてあげました。
  土を掘って特製アリジゴクを作り アリさんをご招待してあげました。
  でもアリさんは遠慮深くて すぐに出て行ってしまいました。
  アリさんの巣の中に 棒を突っ込んで グルグル回して 地震の避難訓練のお手伝いをしました。
  それから ジョーロで水を流し入れて 洪水の避難訓練も手伝ってあげました。
  でも一番楽しかったのは アリさんと一緒に お医者さんゴッコをしたことです。 
  アリさんはいつも 患者さんをやりたいって言いました。
  でもうらら先生が アリさんを葉っぱのベッドに寝かせても 
  落ち着きのないアリさんは すぐに動き出してしまいます。
  だから先生は アリさんを手か足で ちょっとだけ ベシっと叩いて
  「ピーポーピーポー」と言って 葉っぱの担架に乗せ 病院に担ぎ込み 
  それから 松葉の注射を ブチュっと 刺してあげました。
  たいていのアリさんは しばらくベッドで休むと だいぶ具合がよくなって
  「先生ありがとうございました」と言って ヨタヨタしながら帰って行きました。
  でも中には病が重くて うらら先生でも 救えないアリさんもいました。でも大丈夫。
  そんな時は お医者さんからお坊さんへ早変わりして ナムナムと お経を唱えてあげました。


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  アリさんアリさん
  あれからいったい 幾年が過ぎたのでしょう。
  そろそろ種 もらってもいいのにな。
  呑んでも呑んでも減らない酒の出る 実がなる種でいいよ。
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by haruno-urarano | 2009-09-30 18:59 | 日本の絵本