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藤城清治卒寿展

もう去年の話になりますが・・・

昨年、影絵の藤城清治さんの卒寿記念展が各地で開かれました。
私は銀座の教文館会場に行きました。
サイン会も何度かあったのですが、日程が合わず参加できませんでした。

会場は写真撮影OKでした。

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藤城清治さん、1月10日に腰の手術をされて、現在入院中とのこと。
でもリハビリに励み、既に歩行器なしでの歩行もされているとか・・・
もうすぐ91歳。すばらしいですね!
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by haruno-urarano | 2015-01-24 18:53

遠い日の風景から 

今日の画集はこちら

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                 藤城清治メロディーブック「遠い日の風景から」 
                    絵と文・藤城清治 昭和59年 講談社


この本を買ったのも
もうずいぶん「遠い日」のことになってしまったような気がする。
当時「銀河鉄道の夜」で藤城清治さんの大ファンになり、
藤城さんの本を好んで買っていた。

「メロディーブック」とある通り
この画集は表紙の次ページにオルゴールチップが埋め込まれていて、
表紙を開くと光に反応して「マイウェイ」が流れる仕掛けになっていた。

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当時の「最新型」オルゴールチップ使用ですよ。

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奥付のページには
電池の寿命は約120時間、曲の演奏は約2万回
と書いてあるけれど
たぶん数十時間、数百回も聞かないうちに
オルゴールはうんともすんとも言わなくなってしまったような気がした。

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画集の出版から約30年の月日が流れた。
藤城清治さんは今年の4月17日で89歳になる。

4月26日、那須高原に藤城清治美術館がオープンします(誕生日じゃないのがちょっと残念)。

20年前、昇仙峡ではじめて藤城さんの本物の影絵を見たときの感激と感動は
今でも鮮明に覚えている。
昇仙峡にまた行きたいとずっと思っていたが、なかなかチャンスが訪れない。
那須高原ならちょっとは近い。是非行ってみようと思う。


那須高原藤城清治美術館→HM
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by haruno-urarano | 2013-04-14 09:46 |

浦島太郎

今日の絵本はこちら

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                        「浦島太郎」
         中谷宇吉郎・文 / 藤城清治・影絵 / 松本政利・写真
                    昭和26年 暮しの手帖社 発行
                   平成15年 暮しの手帖社 復刻





「ほうら。おりこうさんは、もう寝る時間だよ。」
「いやだ、いやだ。 お父さんがお話してくれなくちゃ、寝ないんだもん。」
「仕様がないねえ。ではひとつ、お話しようか。さて、何のお話にしよう。」
「浦島さんがいい。ほら、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく・・・・って。」
「よしよし。じゃあ、ぶくぶく、ぶくぶく・・・・にしようね。
 ほうら、お布団におはいり、いい子だね。」
「はーい。わあ~、お布団、あったかいねえ~。」

                 

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・・・・・そんな会話をしながら、子供たちを寝かしつけたのかなあ。
中谷宇吉郎博士だって、お家の中では普通のお父さん。
このお話は、中谷博士が子供たちを寝かしつける時に
よく話してきかせたものでした。
元の昔話のままだと短すぎるので、なるべく長くひっぱって、
だらだら、だらだらと、話を引きのばして聞かせたそうです。

どんなふうに、だらだらお話したのかな・・・


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むかしむかしあるところに、浦島太郎さんという人がいたんだって。
知ってるでしょう、浦島さんというのは、お魚をとる漁師なんだね。
漁師って、おうちは海の近くにあるんでしょう。
だから浦島さんのおうちも、海の近くにあったのね。
海のところには、白い砂浜があるでしょう。
砂浜って、平らな白い白い砂がずっとつづいてる砂浜なのね。
その白い砂の砂浜を、どんどん歩いて行くと・・・・・・



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・・・ほうら、
とっても気持ちがよくなってきたでしょう?
こんな優しい言葉でお話してもらえたら、
どんなに幸せな夢が見られるかなあ。



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自分で声に出して読んでいても、とっても気持ちがよくなって、
だんだん眠くなってくるんだよ。


ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく。
ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく。
・・・・・・・・・・・

おまじないじゃないよ。
浦島さんが亀の首につかまって、海にもぐっていくところだよ。
中谷博士のお子さんたちは、たいていこの
「ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく」
のあたりで八分通りは眠ってしまうのだって。
だからそのあとは、声を小さく小さくして、
いつまでも、いつまでも
「ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく、ぶくぶく・・・」
と言っていると、すっかり寝込んでくれるのだって。
そんな時はしめしめと、お話はそこでおしまい。
だけど、いつもそううまくいくとは限らないのね。突然、
「まだもぐるの?」
と、聞かれることがあるんだってさ。
そういう時には、仕方がないからお話の先を続けるのだってさ。



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この絵本が最初に出されたのは、
戦争が終わって、まだそんなに経っていないころのことでした。
藤代清治さんが「暮しの手帖」に影絵の連載を始めたのは昭和23年、
24歳の時でした。
当時はまだ、白黒写真だったのですね。

本のあとがきには、中谷さんと藤城さんと松本さんが、
影絵を撮影している貴重な写真が掲載されています。


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冷たーい雪の研究をした中谷博士ですが、
ぽっかぽかに温かいお父さんだったのですね。



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ぐう、ぐう、ぐう・・・


・・・おや?
みんな寝ちゃったの?

よしよし、いい夢見てね。
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by haruno-urarano | 2009-05-22 22:33 | 日本の絵本

ひとつだけの贈りもの

今日のお話はこちら。

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            「きん色の窓とピーター」 藤城清治・影絵/香山多佳子・お話し
                      昭和59年 暮らしの手帖社

            より、「ひとつだけの贈りもの」


時々どうしても読みたくなるおはなしのひとつ。
特に疲れている時、何もかもが嫌になった時、そんな時、こんな時、読んでみる。

夫を亡くした若い母親は、生まれたばかりの息子、アウグスッスの名付け親の老人に、
「子どものために、ひとつだけ贈りものをしようと」言われた。
今夜、老人の部屋からオルゴールの音が聞こえてきたら、
子どもの耳元で、ひとつだけ願いを唱えなさい、そうすればそれは叶えられると。

たったひとつだけ・・・
大金持ちになること? 世界一美しくなること? だれよりも利口になること?
・・・母親はあれこれ考え疲れ、うとうと居眠りしてしまった。

オルゴールの優しい音に、はっとして目を覚ました。
うろたえているうちに、音は徐々に消え始めてゆく・・・

「坊や、みんながお前を愛さずにはいられないように。
だれからも愛される子になるように・・・」

母親は祈るような思いでささやいた。

・・・・願いは叶い、
利口で美しいアウグスッスは、だれからも愛される少年となった。

だが・・・

アウグスッスは愛されるだけで、愛することを知らない、傲慢な人間へと育っていった。

愛されても愛されても、楽しささも喜びも感じることのできないアウグスッスの心は、
やがて虚しさでいっぱいになった。何のために生きるのか、わからないのだ。

そんなアウグスッスの選んだ道は、毒薬を飲むことだった・・・・。

ぶどう酒の中に毒を入れ、さあ飲もうとしたときだ。

名付け親の老人が、アウグスッスの前に現れた。

母親の願いはアウグスッスのためにしたものだったが、それは母の願いであった。
母の願いは叶ったが、アウグスッスのためにはならなかった。

「もう一度、自分で願うとしたら、何を望むかい?
もう一度だけ、その願いを叶えてあげよう」老人はそう言った。

「ああ、ぼくが人を愛することができるようにしてください!」
アウグスッスは泣き叫んだ

・・・その日から、アウグスッスの全てが変わった。

花は美しく、小鳥は愛らしく、子どもも年よりも、何もかもが愛おしい。
だれにでも親切にせずにはいられない。
どんなことにも驚きや喜びを感じる。
心があたたかく燃えているのが、自分で感じられた。

けれど、変わったのはアウグスッスだけではなかった。

もうだれひとりとして、彼を愛する者はいなくなった。
アウグスッスはだれからも相手にされず、乞食のように変わり果てた。

結末は・・・・

この絵本、
または原作であるヘッセの短編童話集『メルヒェン 』の中の「アウグスツス」をどうぞ。

「愛される」と「愛する」。
ふたつのうちのひとつしか叶わないとしたら・・・
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by haruno-urarano | 2008-02-07 23:20 | おはなし