今日は十三夜。
十五夜は中国から伝わったものだけど、中国に十三夜の風習はない。
十三夜をするのは日本だけだそうだ。
それは日本人の美意識に関係すると言われる。
完全なものより、足りないところに美しさを認める。
アンシンメトリー、余白、簡素なものに美を感じ取ると。
中国では、中秋節(十五夜)は春節(旧正月)に次いで重要な伝統行事。
美意識云々ではなく、満月は一家団欒の象徴なのだ。
そして私が思うに。
日本は十五夜の頃って、たいていが台風襲来のシーズン。
毎年毎年、今年の十五夜、見られるかなーと心配する。
でも十三夜の頃は、ほとんどが秋晴れ。
「十五夜の借りを十三夜で返す」そんな思いもあるんじゃなかろうか。
それはさておき。
今日のおはなしはこちら。
オールカラー版世界の童話19 カロリーヌのつきりょこう
昭和42年 小学館
久しぶりの、世界の童話。やっとでました、カロリーヌ。
初版から50年以上の時を経て、今なお人気の高いこのシリーズ。
今さらカロリーヌのことを説明する必要もないでしょう。
でもフェリシモからカロリーヌシリーズの復刊&続編が出てから、もう20年もたつんだ!
そして作者のピエール・ プロブストさんが亡くなってから、もう11年もたってしまった。
本当にカロリーヌには楽しませてもらった。たくさんの夢をもらった。
20年以上前に祖母が亡くなったとき、一番年の離れたまだ小学生だった従弟に、こう言われた。
「昔のこどもって、何して遊んだん?」
「昔のこども」・・・今でもはっきり覚えている。
でもそうだよね。20歳以上も年が離れているんだもの。自分だって小学生の頃、高校生でさえおじさん、おばさんだと感じたもの。
昔のこどもはね・・・
家に電話もなく、家の前の道は舗装されておらず、風呂も薪でわかし、水道はしょっちゅう断水し、電気もよく停電し、なによりトイレはどっぽんだった、そんな時代に育ったこどもはね・・・
おばあちゃんと一緒におはじきしたり、おばあちゃんと一緒にあやとりしたり、おばあちゃんと一緒に和紙のお人形を作ったり、おばあちゃんの着物をほどいて作ってくれたお手玉で遊んだり、自分で紙芝居を作っておじいちゃんとおばあちゃんに見せたり、おじいちゃんとおばあちゃんと一緒にホットケーキを食べに行ったり・・・
そしてこんなにイカシた、カロリーヌと仲間たちと遊んだのさ!
どうだ、羨ましいだろう!
何でも数年後に世界初の民間月旅行に行く人がいるらしいけど。
カロリーヌなんて、アポロ11号が月面着陸した1969年よりずっと前に月旅行したんだから!
おまけにカロリーヌたちは月にリンゴの木を植えて、ニンジンの種をまいてきたんだよ。
監修者の波多野勤子さんは、こんなことを言っています。
「もしみなさんが大きくなって、月の世界へ行くことができたら、よく探してみてください。カロリーヌたちが立ててきた立て札が、どこかで見つかるかもしれません。」
もしかして、その人は、それを探しに行くのかな!?
もしかして、その人は、カロリーヌを知っている、昔のこどもかな!?
オマケ
ピエール・プロブストとカロリーヌのモデルである愛娘のシモンヌさん