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さんびきのこぶた

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                おはなしめいろ せかいのたび 「さんびきのこぶた」
                 杉山亮・作/長新太・絵  2002年 フレーベル館




有名なものがたりをパロディ化した絵本というのはよくありますが、
このシリーズはちょっと、いえ、だいぶ手が込んでいます。
「おはなしめいろ」の言葉の通り、迷路をたどりながらお話を読んでいくのです。
道を踏み外せば当然別の話になり、「さんびきのこぶた」の結末にたどり着くことはできません。


数年前に作者の杉山亮さんの講演会に行き、
確か「あかずきん」の「おはなしめいろ」の実演を見て、
非常に面白かったので、別の本をと思い買ってみました。


「最近は昔話を知らない子どももいるけど、私は楽勝に決まってる。ふふん」
そんな風に高をくくって始めてみたら、すぐに迷子になりました。


知ってる話なのに進めない?
そうなんです。話を知ってさえいれば簡単にゴールに着いてしまうなんて、
そんなのすぐに飽きられちゃいますよね。
あちらこちらに、作者さんのイタズラが隠されているのです。


そんな企みがあるとはちっとも知らず、楽チン楽チン・・・と、数ページをクリアした後、
突如として進む道がなくなってしまったのです!
あれ???この道も、こっちも、これも、全部話が違うけど・・・???
そんな時はズルして奥の手を使い、ページのゴールから逆にたどってみたりして・・・。
仕舞いにはとうとう疲れてしまい、ギブアップ。



根性なしの私は読み終わっていない絵本を本棚にしまい込んでしまいました。
それも椅子を使わないと取れない高い所に。
今年の春、AJITOに遊びに来た友人にこの絵本の話をしたところ「見たい」と言うので、
どっこいしょっと椅子を出して久々に手にしてみました。



するとあら不思議。
二人でたどるとすごく楽しい。迷うたびに
「え~!なにこれぇ~!」 「ずるい~!」 「フェイントだよね~!」
と、最大限に盛り上がるのです。
これはつまり、お話のゲームなのですね。
双六や人生ゲームと同じで、ワイワイやるのがよいのです。
もちろん、今では一人でやっても楽しめます。



このシリーズ、有名な話を元としない迷路もあるのです。
しばらく前から、欲しいなぁと、ネット書店の「あとで買う」リストに入れてあります。
でも話を知ってたものだって、ゴールに着くのに四苦八苦したのだから、
知らない話の迷路なんて、1ページ目から進めないんじゃないかとちょっと心配です。
でも多分、買ってしまうと思います。そして今度友人が来た時に、また自慢して見せるのです。


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by haruno-urarano | 2010-09-01 22:09 | 日本の絵本