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「むしのあいうえお」 今森光彦・切り絵とことば 2006年 童心社
猛暑で悲鳴を上げているのは人間だけど、
今年出てきた虫たちにとっては、素晴らしい巡り合わせかも知れない。
この切り絵がハサミで切ったものだなんて、びっくり仰天。
作者の今森光彦さんは、昆虫や自然を撮り続ける写真家ですが、
プロの切り絵作家と言っても、誰も疑わないでしょう。
虫たちの羽の模様まで、それは細かく丁寧に、優しく、実物のように表現されています。
虫ギライの人が見たら、「うぎゃ!」と言いそう。
実は私は蛾と蝶類が大の苦手。
だから蝶のページは、あまり見ないように努力する。
そんな本だけど、やっぱり好きな一冊。図鑑よりずっとずっと面白い。
不思議で美しい虫の生態を、俳句調にリズミカルに詠い上げる。
「ねったいの じゃんぐるにすむ ばいおりんむし」
へー、バイオリンムシ?そんなの初めて聞いた。
わぁ~~本当だ!バイオリンにそっくりだ!
「うすばかげろう こどものときは ありじごく」
そう言えば子供の頃、よく蟻と遊んだなぁ~。
一生懸命アリジゴクモドキを作って、蟻を入れてみたけど、
みんな出てきちゃった・・・。
この絵本のもうひとつのステキな所。
本の最後に登場した虫たちの簡潔明瞭な紹介文があります。
たとえばミイデラゴミムシは
「おどろくと、おしりからプッという音とともにガスを出す。
名前は三井寺にある『放屁合戦絵巻』にちなむともいわれる。」
今年の夏は、まだまだ続きそう・・・
楽しい虫を発見に行きたい!
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今森光彦ワールド